全日病ニュース

諮問会議等に病院団体が意見を述べる機会を求める

【四病協・総合部会】医療の現状と乖離した議論に懸念を表明

　四病院団体協議会は４月28日に総合部会を開き、経済財政諮問会議等に対する要望をまとめた。諮問会議や財政制度等審議会において、新型コロナの対応を含め、医療の現状と乖離した議論が行われているとして、病院関係団体が意見を述べる機会を設けることを求めた。総合部会終了後に会見した加納繁照・日本医療法人協会会長は、「理解できないことを議論している。医療現場の意見をきく場をつくってもらいたい」と強調した。要望の全文は次の通り。
【要望】
　これからの社会保障について、経済財政諮問会議、財政制度等審議会財政制度分科会において議論されておりますが、医療の現状と乖離した議論となっているため、早急に病院団体からの意見を述べる機会を設けていただくよう強く要望する。
　また、今後の医療に関する議論に際しても病院団体からの意見を述べる機会を設けていただくよう強く要望する。

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　総合部会では声明を取りまとめたほか、当面する課題について協議した。
　日本看護協会から准看護師の業務に関する調査について各団体に協力依頼があり、協議した結果、調査内容に問題があるという認識で一致。内容の訂正を求めるともに現段階では調査に協力できないことを看護協会に伝えることを確認した。調査は、病院における准看護師の役割を聞くものだが、看護師と准看護師の役割を区別する内容であり、病院団体の考える准看護師の役割と乖離した内容となっていることから、協力は難しいと判断した。
　また、日本専門医機構への対応について協議した。現在、四病協から同機構に理事２名、監事１名を出しているが、四病協としては、各団体からそれぞれ理事を出すことを申し入れている。専門医機構を支援するための負担も増えることから、この機会に四病協の考えに沿った対応を求めていく必要があるという認識で一致した。
　日本在宅療養支援病院連絡協議会の設立準備会について説明があった。医法協の鈴木邦彦副会長は、各団体から在支病の会員数に応じた理事の推薦を求める方向で準備を進めていることを説明。理事がそろった段階で理事会を開き、今年度の活動方針を決める予定であり、１年後を目途に法人化を目指していることを説明した。
　厚生労働省の「薬剤師の養成及び資質向上に関する検討会」の検討状況が報告された。同検討会は。薬剤師の需給予測を行っているが、四病協としては薬剤師の病院における卒後研修の実施を求めていくことを確認した。
　令和４年度予算概算要求に対する要望について協議し、総合部会の了承を得たことから厚労省へ提出することとした。要望は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、地域医療の崩壊を招くリスクが極大化していると危機感を表明。地域医療構想や2040年の人口減少社会に向けた取り組みは強化すべきだが、まずはCOVID-19による医療崩壊の危機を乗り越えるための予算が必要と強調している。
　そのほか、新型コロナウイルスの感染状況について大阪の実情が報告された。