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ホーム全日病ニュース(2021年)第1000回/2021年12月15日号2022年度改定に向け外来のデータ提出を議論

2022年度改定に向け外来のデータ提出を議論

2022年度改定に向け外来のデータ提出を議論

【中医協総会】診療側「加算新設なら相応の評価を」

 中医協総会(小塩隆士会長)は11月26日、外来や在宅、リハビリテーションのデータを医療機関が提出した場合の評価を議論した。
 過去の診療報酬改定で、データ提出加算の届出を要件とする入院料は拡大してきており、データ提出加算を届け出ている医療機関数も年々増え、2020年には5202病院、全病院の63.0% となっている。
 厚労省は同日の中医協総会で、外来医療や在宅医療、リハビリテーション医療を担う医療機関等の機能や役割を適切に分析・評価するため、患者の病態や実施した医療行為の内容に関するデータを提出した場合の評価のあり方を論点にあげた。
 これについて日本医師会常任理事の城守国斗委員は、外来医療等に関するデータ提出を評価する加算を設けることには理解を示した上で、「データ提出により医療機関の負担が大きくなり、医療提供に支障が出るのでは本末転倒だ。加算を設けるなら相応の評価が必要であり、データ提出加算の届出を要件化するようなことは暴論だ」と主張した。
 日本慢性期医療協会副会長の池端幸彦委員は、「外来のデータ提出は、電子カルテが導入されていればある程度はできる可能性が高いが、中小病院や民間の診療所では難しいかもしれない」と述べ、実態を把握して慎重に議論を進めるよう求めた。
 支払側の委員は、「外来や在宅医療のデータも集めるべき」と主張し、データに基づき外来医療を検討する調査専門組織の設置も提案した。

医薬品レセプト摘要に選択式導入を
 診療報酬明細書の記載についても議論した。レセプト摘要欄に記載を求めている事項について、医科・歯科の診療行為と調剤行為に関してはほとんどが選択式コメントとなっている。ただ、医薬品の請求にあたっては、レセプト摘要欄にフリーコメントとして入力している。
 厚労省は、医薬品の請求についても選択式コメントの設定を行うことを提案した。これに対し、城守委員ら診療側の委員は、選択式を導入することには賛成しつつ、フリーコメント欄も残すよう要望した。
 レセプト審査の参考情報として、検査値データを提出することについても議論した。厚労省は、「検査値データの提出により、審査の質が向上し、審査の効率化が進むことで、診療報酬全体に長期的・副次的な影響が出る」と説明した。
 城守委員は、「学会のガイドライン等も踏まえ、極めて慎重に検討するべき」と主張。医療機関の事務負担が増えることがないように、十分な配慮が必要だと強調し、「検査値データの提出を求めるのは、電子カルテ等の体制が整備されている医療機関に限定するべき」と訴えた。

 

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