全日病ニュース

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2022年 年頭所感

2022年 年頭所感

厚生労働大臣 後藤茂之

 謹んで新年の御挨拶を申し上げます。本年が皆様にとってより良い年になりますよう祈念いたします。
 新型コロナウイルス感染症への対応について、一昨年から継続して地域の医療を守っておられる医療関係者の皆様の並々ならぬ御尽力に、改めて感謝と敬意を表します。
 厚生労働省では、人口構造の変化、労働力の減少、技術の急速な進歩など、我が国の医療を取り巻く環境が変化する中、質の高い効率的な医療提供体制の構築に向けた取組を進めています。昨年5月には、医師の働き方改革の推進や、地域医療構想の実現に向けた支援策の強化等を盛り込んだ改正医療法が成立しました。また、同改正により、2024年度からの第8次医療計画の記載事項に「新興感染症等の感染拡大時における医療」が追加されるところであり、今般の新型コロナウイルス感染症対応で得られた知見も踏まえ、次の新興感染症等の発生に備えた取組について詳細な検討を進めてまいります。
 本年も医療関係者の皆様には、こうした取組に御理解と御協力をいただくとともに、引き続き、日本の地域医療を支えていただくようお願い申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。

公益社団法人 日本医師会会長 中川俊男

 明けましておめでとうございます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症への対応に終始した一年でした。1月8日には、関東一都三県に緊急事態宣言が発令され、その後の一年を暗示するかのような年明けとなりました。やがて、ワクチンの接種が始まり、治療薬の治験が進み始めると、このウイルスと闘うための有力な手段が得られることへの期待が高まってきました。しかし、夏には全国で爆発的な感染拡大が起こり、特に大都市では、医療提供体制が逼迫し、新型コロナ医療とコロナ以外の通常医療の両立が危うくなりました。11月に入り、猛威を振るった新型コロナの感染者数が減少に転じ、12月には「収束」と言える状況になりました。世界的に見ても高い公衆衛生意識をもっている日本の全ての人々の勝利だと確信しました。
 しかし、「終息」したわけではありません。敵はしたたかです。年末には新たな変異株も発見されました。まだまだ、闘いは続きます。今、私達は、新型コロナウイルス感染症との闘いという長いトンネルの中にあります。新たな変異ウイルスや感染再拡大に対する備えを緩めることなく、トンネルを駆け抜け、希望あふれる記念すべき年となることを願っています。

 

全日病ニュース2022年1月1日・15日合併号 HTML版