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ホーム全日病ニュース(2022年)第1003回/2022年2月15日号医療法人事業報告書のデジタル化対応を注視

医療法人事業報告書のデジタル化対応を注視

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【四病協・総合部会】医師偏在の状況に関しても様々な意見

 四病院団体協議会は1月26日、総合部会を開いた。終了後の会見で、議長の日本病院会の相澤孝夫会長は、厚生労働省から医療法人の事業報告書等の届出事務・閲覧事務のデジタル化に関するアンケート調査を実施するとの報告を受け、「強い問題意識をもっている。今後、どのような対応が行われるのかを注視していく」と述べた。
 医療法人の事業報告書については、2022年5月末が提出期限のものから医療機関等情報支援システム(G-MIS)への電子媒体のアップロードによる届出を可能とし、その後、都道府県はホームページ等において閲覧を可能とする運用を行う。さらに、全国的な電子開示システムを早急に整備するとの政府方針も示されている。
 しかし、四病協には、都道府県の「閲覧」の運用方法が不透明であり、営利企業が不適切に情報を入手したり、不特定多数が情報を閲覧することによる風評被害の発生などに懸念がある。
 相澤会長は、「医療法人の機微な情報まで誰でも『閲覧』できることは、情報保護の観点で問題がある。厚労省から説明のあったアンケートの中身をみても、何に使うつもりなのか疑問が出てくる。医療政策に役立つ情報だけを入手するべきではないのか」と語気を強めた。
 また、厚労省の医師需給分科会の第5次中間とりまとめ案が了承されたことをめぐっても、総合部会で様々な意見があった。今後の医学部定員のあり方については、第5次中間とりまとめでも、「未だ最終結論を得られていない」としているが、将来の医師需給の見通しから、医師養成数の見直しが望ましいとの考えが示されている。
 しかし、総合部会では、医師の地域偏在のみならず、病院と診療所、診療科間の偏在が存在していることや、今後の医師の働き方改革との関係を含め、医師需給の見通しを再度検討する必要性があるとの主張が相次いだ。人口当たりの薬剤師数が各国比較で飛びぬけて多いにもかかわらず、病院に薬剤師が来ない問題も改めて指摘された。

 

全日病ニュース2022年2月15日号 HTML版