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ホーム全日病ニュース(2023年)第1036回/2023年7月15日号がん患者の登録情報の加工基準をGLなどで明確化

がん患者の登録情報の加工基準をGLなどで明確化

がん患者の登録情報の加工基準をGLなどで明確化

【厚科審・がん登録部会】全国がん登録及び院内がん登録の課題を議論

 厚生労働省の厚生科学審議会・がん登録部会(辻一郎部会長)は6月19日、全国がん登録及び院内がん登録の課題をめぐり議論を行った。がん患者の個人情報を保護しつつ、他の公的データベース(DB)との連携も可能となる適切な加工基準を法令またはガイドライン(GL)などで明確化する方向だ。
 また、全国がん登録及び院内がん登録における課題と対応方針の中間とりまとめ案が示された。まだ議論していない項目は空白になっており、引き続きとりまとめに向けた議論を行う。
 がん患者の情報を登録する際には、個人情報を保護するため、個人情報保護法における「匿名加工」と同等の加工基準で処理することが、がん登録推進法で求められている。しかし、加工基準が明確に規定されておらず、匿名化情報の是非の判断が運用上で行われ、他制度の取扱いとの関係が不明確であり、「判断がぶれるおそれがある」ことが課題となっている。
 厚労省は、がん登録推進法の特性を踏まえ、個人の権利利益を保護しつつ、がん登録情報の利用を促進するための適切な加工基準が必要と指摘した。
 その上で、対応策として、がん登録情報の「匿名化」では、がん登録情報の適切な第三者提供を可能とするため、「他の公的DBとの連結等も見据え、個人情報保護法の匿名加工情報相当の加工基準及び他の公的DB等で用いられている基準を参考にしつつ、がん登録推進法における匿名化の加工基準を法令またはガイドライン等で明確化」することの検討を提案した。
 あわせて、公表される調査研究の成果によって、特定の個人や病院などが第三者に識別されないようにするなど「識別行為の禁止」の義務についても法令上の整備を行うとした。
 これらに対し、複数の委員から、がん登録推進法のために独自の加工基準を策定するのではなく、個人情報保護法の「匿名加工情報」の加工基準に沿って基準を設定することが望ましいとの意見が出された。一方で、希少がんは「仮名加工情報」を用いるなど、ほかの加工基準を考える余地があるとする意見もあった。また、他の公的DBとの整合性や連携を図る上で、個人情報が漏洩するリスクを適正に管理する必要があるとの指摘もあった。

 

全日病ニュース2023年7月15日号 HTML版

 

 

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