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ホーム全日病ニュース(2023年)第1036回/2023年7月15日号卒後臨床研修プログラムの第三者評価めぐり賛否

卒後臨床研修プログラムの第三者評価めぐり賛否

卒後臨床研修プログラムの第三者評価めぐり賛否

【医道審・臨床研修部会】受審医療機関からヒアリングを実施

 厚生労働省の医道審議会・医師分科会医師臨床研修部会(國土典宏部会長)は6月22日、医師臨床研修制度の見直しについて議論した。NPO法人卒後臨床研修評価機構(JCEP)が実施している卒後臨床研修プログラムの第三者評価について、JCEPとJCEP の優良表彰を受けた2つの受審医療機関から、現状について報告を受けた。
 委員から、「今後、第三者評価の義務化に向けて検討を進めるべき」といった意見があがった。その一方で、項目の妥当性や現場への負担感の増加、JCEPの運営体制などの課題のさらなる検討が必要であり、「義務化は時期尚早」とする意見も相次いだ。
 最初に、JCEP専務理事の福井次矢参考人がJCEPの活動状況を説明した。JCEPは臨床研修病院における研修プログラムの評価や研修状況の評価を国内で唯一実施する機関であり、2023年5月1日時点で、卒後臨床研修を実施する1,028病院中、287病院がJCEP の認定を受けているとした。
 JCEP認定病院に対して行ったアンケート結果では、「国の制度として、すべての臨床研修病院が第三者評価を受審しなくてはならない(義務化)としたほうがよいと思うか」という問いに、63%が「はい」と答えたと報告した。第三者評価の義務化を求めるとともに、さらなる評価制度の見直しに向けて意欲を示した。
 次に、昭和大学病院病院長の相良博典参考人が、受審に係る対応を説明。相良参考人は「義務化に向けては、病院の規模間によって評価項目等が高いハードルとなる可能性も考えられるため、段階的な評価等も考慮した慎重な議論が必要と考える」と述べた。
 立川相互病院副院長・臨床研修センター長の山田秀樹参考人は、「職員同士学びあう病院文化・職場作りの構築にも寄与し、医療の質向上に資する取り組みと考える。第三者評価の義務化が望ましい」と述べた。
 参考人からの報告を受け、千葉大学医学部附属病院病院長の横手幸太郎委員は「義務化にあたってはさまざまなファクターをもとに、慎重な議論を行う必要がある。ネガティブな面をポジティブな面が上回ると確信をもった上で進めるべき」と述べた。この意見に多くの委員が賛同した。

 

全日病ニュース2023年7月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 臨床研修病院への実地調査を第三者機関に代替|第942回/2019年6 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20190615/news02.html

    2019/06/15 ... 同日は、卒後臨床研修評価機構(JCEP)からヒアリングを行い、これらを ... などとあわせ、第三者評価の機能を果たせるかを岩崎榮専務理事に質問。

  • [2] 2019.3.1 No.935 - 全日本病院協会

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2019/190301.pdf

    2019/03/01 ... 評価機構(JCEP)の職員が同行し、こ. れまでに得た知見を活用する。 ... 全日病常任理事の猪口正孝委員は、 ... 委員外の有識者からヒアリングを実施.

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