全日病ニュース
救急救命士による処置の範囲の拡大を検討
救急救命士による処置の範囲の拡大を検討
【厚労省・救急医療WG】デジタル田園健康特区でのエコー検査を議論へ
厚生労働省は8月25日、救急医療の現場における医療関係職種の在り方に関する検討会ワーキンググループ(児玉聡座長)の初会合を開いた。ワーキンググループでは、救急救命処置の追加・除外の検討などを行う。
2021年10月に改正救急救命士法が施行され、病院前で実施することが前提とされてきた救急救命処置が、一部医療機関内でも実施可能となった。これを受けて、救急救命処置について専門的な議論を行うためにワーキンググループが設置された。年度末に議論を取りまとめ、救急医療の現場における医療関係職種の在り方に関する検討会に報告する予定だ。
デジタル田園健康特区の岡山県吉備中央町で、救急救命士による超音波検査を先行的に実証することについて意見交換がなされた。重度傷病者のうち、主に腹痛や下腹部痛を訴えている傷病者や事故等で外傷が生じている負傷者、意識状態やバイタルサインが不安定な傷病者に対して、救急車での搬送中に救急救命士がエコー検査を実施することが、岡山県吉備中央町から提案されている。
委員からは、否定的な意見が出された。日本医師会常任理事の細川秀一委員は、「エコー検査を実施してよいのは医師と臨床検査技師、臨床放射線技師に限られる。法改正を行わずに救急救命士にエコー検査をさせれば、訴訟が起きたときに救急救命士を守ることができない」と述べ、特区で先行的に実施することには明確に反対した。専門家とともに医療法や医師法の議論を行うことを提案した。
日本医療法人協会会長の加納繁照委員は、「いかに早く治療を始めるかということであれば、ドクターヘリを使って病院に早く運べばよい。なぜ、必要性の高くないエコー検査の話がまず出てくるのか、違和感を覚える」と述べた。加納委員は、ワーキンググループで救急医療の現場のタスク・シフト/シェアを進めるための議論を行いたいと主張した。
日本看護協会常任理事の井本寛子委員は、「救急救命士法改正からまだ2年である。新たな救急救命処置については、法改正後の効果検証を行ってから議論すべきだ。救急外来での救急救命士の活動の実態もまだ明らかになっていない」と述べ、救急救命処置の追加を議論するのは時期尚早との考えを示した。
次回の会議で、デジタル田園健康特区でのエコー検査の実施と、エピペンの処方を受けていない傷病者も含めたアナフィラキシーに対するアドレナリンの投与を議論する予定である。
救急救命士の活動の場が病院前に限らず、医療機関内にも拡大されたことの影響調査の報告も、今後ワーキンググループで行われる見通しだ。
【お詫びと訂正】
本紙2023年9月1日号の3面記事の上から11行目「7月26日(水)」は、正しくは「7月27日(木)」です。お詫びして訂正いたします。
全日病ニュース2023年9月15日号 HTML版
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[1] 技術指導の例
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2011/110217_3-2.pdf
⑪ 必要に応じ、バイタルサインなど、与薬後の. 患者状態を観察する. 2.実施. 見守りながら、不十分な点をサポートする. ・患者状態のアセスメント、誤嚥防止.
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[2] 事 務 連 絡 令和4年3月31日 都 道 府 県 各 保健所設置市 衛生主管 ...
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2022/220401_3.pdf
2022/03/31 ... BMJ 2020. 全日本病院協会 医療行政情報 https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/. Page 28. ○新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 ...
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[3] 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・ 第 5.3 版 ...
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2021/210901_10.pdf
〇 バイタルサインおよび酸素飽和度(SpO2)を 1 日 3 回程度測定する. ... 3)Infusion reaction,アナフィラキシーを含む過敏症があらわれることがあるので,患者.
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