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概算要求額は33兆7,275億円

概算要求額は33兆7,275億円

【厚労省】同時改定への対応は「事項要求」

 厚生労働省は8月31日、2024年度予算概算要求を財務省に提出した。厚労省予算は33兆7,275億円で、対前年度比5,866億円増となった。大部分を占める年金・医療費等の経費は31兆8,653億円で4,820億円分の増加。他省庁分とあわせ、高齢化等に伴ういわゆる自然増は5,200億円を要求した。
 医療費については、全国健康保険協会(協会けんぽ)が1兆2,530億円で159億円の減少、国民健康保険が3兆858億円で308億円の減少、後期高齢者医療制度が5兆9,449億円で2,655億円の増加。生活保護の医療扶助など公費負担医療は1兆8,509億円で55億円の増加を見込んでいる。
 2024年度診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定への対応は、概算要求の段階で額を明示しない「事項要求」として、予算編成過程で検討するとしている。物価高騰対策等を含めた重要な政策および「こども未来戦略方針」で示された「こども・子育て支援加速化プラン」の内容の具体化の取扱いについても、必要に応じて予算編成過程で検討する。
 また、2024年度予算では、構造的賃上げの実現、官民連携による投資の拡大、少子化対策・子ども政策の抜本的強化を含めた新しい資本主義の加速や防衛力の抜本的強化といった重要政策課題に対応するため、「重要政策推進枠」を設置。裁量的経費に係る削減額の3倍を要望できる。厚労省は重要政策推進枠で1,518億円を要望した。

医療・介護DX に166億円
 厚労省は重点要求として、「今後の人口動態・経済社会の変化を見据えた保健・医療・介護の構築」、「構造的人手不足に対応した労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進」、「包摂社会の実現」の3つの柱を立てた。
 「今後の人口動態・経済社会の変化を見据えた保健・医療・介護の構築」では、「医療・介護におけるDX の推進」を第一に掲げた。前年度の4倍近い166億円を計上し、◇保健医療介護情報の活用促進のための情報の標準化の推進と全国医療情報プラットフォーム・介護関連データ利活用のための基盤等の整備◇マイナンバーカードと保険証の一体化の推進◇電子処方箋の全国的な普及拡大や機能向上の推進◇診療報酬改定DXの取組みの推進◇医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策の強化―などの施策をあげた。
 「地域医療・介護の基盤強化の推進等」では、地域医療構想等の推進に922億円を計上。地域医療介護総合確保基金を通じて地域医療構想を推進するほか、医師偏在対策への支援、かかりつけ医機能が発揮される制度の円滑な施行に向けた施策の推進に取り組む。「感染症対策の推進・体制強化」では、次なる感染症に備えた体制強化に139億円を計上。国立健康危機管理研究機構の設立に向けた体制を整備する。
 2024年度の予算概算要求では、これまでにない特色として、「女性の活躍促進に向けた施策」が重要施策に位置づけられている。医療・介護、労働、福祉の各分野で計上した予算は合計で2,181億円。女性が働きながら健康でいられるための施策を推進し、女性の活躍促進に向けた環境整備を行う。
 また、厚労省は同日、29項目の税制改正要望を財務省に提出した。地域医療構想実現に向けた税制上の優遇措置の延長(不動産取得税)や、改正感染症法の流行初期医療確保措置による収入の非課税措置の創設(法人税・事業税等)、たばこ税と地方たばこ税の税率の引上げも求めている。

全日本病院学会in広島 前夜祭特別企画のご案内

 10月14日(土)・15日(日)に広島市で開催される全日本病院学会in広島。今回は、参加者の皆様に楽しんでいただけるよう、様々な企画を用意しています。
 10月13日(金)には、初の試みとして、前夜祭を開催します!
 広島への旅を少し早めにスタートし、新たな知識を獲得し、同じ目標を共有する仲間とのつながりを築きませんか? 皆様のご参加をお待ちしています!(※全日本病院学会in広島に参加される方が対象です)

■ 対 象
全日本病院学会in広島に参加される方で、
マネジメント部会:病院経営・管理業務に従事されている方々(職種は問いません)
看護部会:看護管理業務に従事している看護職の方々

■ 開催日時
10月13日(金)19時~ 21時(予定)
 19時~20時 講演・質疑応答
 20時~21時 懇親会

■ 開催場所
TKPガーデンシティ広島駅前大橋(広島駅から徒歩5分)

■ 講演内容
マネジメント部会:プラス株式会社 代表取締役会長 今泉嘉久 氏
「変化を創る経営」
 文具・オフィス用品メーカーとして知られるプラス株式会社。国内の文房具市場が縮小している中で、今泉会長はアスクルの立ち上げなど業界を再活性化する新しいビジネスモデルと戦略に取り組んでこられました。人口減少の荒波が次々に押し寄せる


これから、今泉会長の攻めのビジネス姿勢は病院経営にとっても大きな学びとなるでしょう。

看護部会:有限会社ビジネスブレーン 代表取締役 永井則子 氏
「看護師と看護補助者のさらなる協働~困りごとと解決のヒント」
 入院患者も高齢化し、「治療」のみでなく「介護」を要するケースが増えています。このため、病院で働く看護補助者に期待される役割も大きくなっています。一方で、看護師側の意識は、従来の古いままではないでしょうか? 看護師と看護補助者との良好な協働に向けて、永井先生と一緒に考えていきましょう。

■ 参加費
3,000円(当日受付でお支払いください)

■ 申し込み方法
申し込みフォーム(下のQRコード)より必要事項をご記入の上、お申込みください。
(締切 9月18日(月・祝)まで ※定員になり次第、締め切ります)


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全日病ニュース2023年9月15日号 HTML版

 

 

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