全日病ニュース

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特定行為研修制度の推進に向け議論

特定行為研修制度の推進に向け議論

【厚労省・特定行為研修部会】内田病院の田中志子理事長にヒアリング

 厚生労働省の医道審議会保健師助産師看護師分科会特定行為・研修部会(國土典宏部会長)は8月23日、介護施設等における特定行為研修制度の推進に向けて議論した。医療法人大誠会内田病院の田中志子理事長にヒアリングを行い、特定行為研修修了看護師の活動状況について確認した。
 田中理事長は、自法人での6名の修了者の活動状況を踏まえ、特定行為研修における臨床推論の重要性を強調。「医師と看護師の相互理解が結果的に好影響を与えている。双方の仕事に対する理解が深まった」と述べた。
 その上で、◇受講者の負担が大きく手挙げが少ない◇上司や同僚の理解や協力がないと勤務調整が困難◇修了者がそろう活動日を確保することができない─といった課題をあげた。
 委員からは、介護施設等での修了者の活躍に期待が集まる一方、人員不足や症例数の確保といった課題があり、実際に施設における研修を推進するには、インセンティブや研修制度の見直しが必要との意見が相次いだ。
 全日病常任理事の中尾一久委員は、「我々も老人保健施設や訪問看護ステーションに特定行為研修修了者を配置したものの、実働には結びついていないのが悩みの種。手順書を書く医師の理解、指導をどのように周知していったらよいか」と発言した。
 田中理事長は、「特定行為の看護師は手順書が命だが、それぞれの病院のプロトコルが違うことから汎用できないのが実際。自院や自施設で使っている薬剤名を明記しながら、フローチャート式で看護師が迷うことのないような手順書を作ることが重要であり、医局の先生方にもトップダウンでやっていただくことが大事だ」と述べ、医師や指導者が実際の運用を想定し、詳細を記載した手順書を作ることが重要であると指摘した。
 また、研修受講に対するインセンティブについて田中理事長は、「研修費、宿泊費、交通費、フォローアップにかかる費用など育成に関する費用はすべて病院が出している。報酬上のインセンティブも少ない」と訴えた。

 

全日病ニュース2023年9月15日号 HTML版

 

 

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