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ホーム全日病ニュース(2023年)第1042回/2023年10月15日号レカネマブの薬価算定の議論が始まる

レカネマブの薬価算定の議論が始まる

レカネマブの薬価算定の議論が始まる

【中医協総会】介護費用等の軽減効果をどう評価するかに注目集まる

 中医協総会(小塩隆士会長)は9月27日、高額医薬品への対応として、レカネマブ(遺伝子組換え)の薬価算定方法の議論を開始した。レカネマブの効能・効果は、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制。販売名はレケンビ、製造販売事業者はエーザイ株式会社で、9月25日に薬事承認された。年間1,500億円の市場規模が予測される高額薬剤については、通常の薬価算定と異なり、直ちに総会に報告し、薬価算定方法を議論することになっている。総会の議論により、レカネマブは特例的な方法で薬価算定を行い、承認から90日以内の薬価収載を目指すことで合意した。
 また、10月4日の中医協では、薬価専門部会と費用対効果評価専門部会を合同で開催し、レカネマブの薬価算定方法の議論を行うことを了承した。
 レカネマブの効能・効果であるアルツハイマー病による軽度認知障害等の推定有病者数はエーザイによると約542万人と多いが、添付文書や患者要件、医師・施設要件を厳しく定める最適使用推進ガイドラインにより、投与対象となる患者数は限定的になる見込み。ただ、レカネマブは抗体医薬品であり、同じ適用のアリセプトなどと比べ、作用機序が異なり、製造コストが高く、高額医薬品となる可能性が高い。
 また、介護費用等の軽減効果をどう評価するかに注目が集まる。これまで費用対効果評価の議論の中で、介護費用を含めた分析は行われていない。一方で、諸外国で介護費用への影響を分析に組み込んでいる事例があるほか、日本には介護データベースがある。介護費用の評価は、レカネマブをより高く評価することであり、イノベーションと財政のバランスの問題になる。

 

全日病ニュース2023年10月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 2023.9.1 No.1039

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2023/230901.pdf

    2023/09/01 ... 急性期入院医療については、高齢者. の軽症・中等症の救急搬送が増加する. 中で、急性期病棟で集中的な急性期医. 療を必要とする患者への対応を適切に.

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