全日病ニュース

かかりつけ医機能の制度整備へ検討会を新設

【社会保障審議会　医療部会】来年の夏頃に取りまとめ

　社会保障審議会医療部会（遠藤久夫部会長）は９月29日、かかりつけ医機能が発揮される制度整備の施行に向けて検討会を新設する方針を了承した。来年夏頃に取りまとめを行い、それを踏まえてかかりつけ医機能報告システムの構築などが進められることになる。
　今年５月に成立した全世代型社会保障関連法により、かかりつけ医機能の制度を整備することが決まった。具体的には、①医療機能情報提供制度の刷新（2024年４月施行）と②かかりつけ医機能報告制度の創設（2025年４月施行）を行う。両制度の整合性を確保しつつ、医療機関を適切に選択できるように国民へ情報提供を行うことをめざす。
　この制度整備を進めるに当たって、厚生労働省は10月から新たに「国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会（仮称）」を立ち上げることを提案。この検討会の下に、⑴「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会（新設）」と⑵「医療機能情報提供制度・医療広告等に関する分科会」（改編）の２つを設置する（図表参照）。
　⑴のかかりつけ医機能の施行に関する分科会は新たに設置されるもので、かかりつけ医機能機能報告について検討する。⑵の医療機能情報提供制度等の分科会は既存の会議体の位置づけを変更するもので、医療機能情報提供制度の全国統一システム化やかかりつけ医機能の情報提供項目等を検討する。これらの会議体での検討を、来年夏頃に取りまとめる予定だ。
　全日病副会長の神野正博委員は、入院病床をもつ病院もかかりつけ医機能を担う実態があると主張した。また、紹介受診重点医療機関であっても一部の診療科では、かかりつけ医機能を担う場合があることを確認した。
　さらに、医療計画とかかりつけ医機能の制度整備の整合性について質問。厚労省は、第８次医療計画の中間見直しから両者の整合性をとる考えであることを明らかにした。