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ホーム全日病ニュース(2023年)第1042回/2023年10月15日号2022年度概算医療費に占めるコロナ特例分は1.9%で9千億円

2022年度概算医療費に占めるコロナ特例分は1.9%で9千億円

2022年度概算医療費に占めるコロナ特例分は1.9%で9千億円

【中医協総会】入院は4千億円で2.2%、入院外は5千億円で2.8%

 厚生労働省は9月27日の中医協総会(小塩隆士会長)に、新型コロナ対応の診療報酬特例が2022年度医療費に与えた影響を報告した。2022年度概算医療費46兆円のうち、特例分は9千億円で全体の1.9%を占めることがわかった。18.1兆円の入院のうち、特例分は4千億円で2.2%、16.2兆円の入院外のうち、特例分は5千億円で2.8%。外来での特例分の寄与が入院より大きいことも示されている。
 前回の中医協での概算医療費の報告に対し、特に、支払側の委員がこれらの結果について、新型コロナ対応の診療報酬特例や2022年度診療報酬改定の影響の分析を求めていた。
 2022年度の概算医療費は46兆円で、対前年度比で4.0%の伸び。新型コロナの感染拡大前の2019年度と比べると、5.5%の伸びとなるが、1年当たりに換算すると1.8%の伸びで、高い伸び率ではない。2019年度比でみると、受診延日数がマイナス3.6%であるのに対し、1日当たり医療費が9.4%の高い伸びとなっている。
 1人当たり医療費は、2019年度の34.5万円が2022年度に36.8万円となっており、新型コロナ特例分を除くと、36.1万円になる。入院について同様に示すと、2019年度比の14万円が2022年度に14.5万円となっており、新型コロナ特例分を除くと、14.2万円になる。外来では、2019年度比の11.8万円が2022年度に13万円となっており、新型コロナ特例分を除くと、12.6万円になる。
 また、2022年度診療報酬改定で保険適用となった不妊治療の医療費は、2022年度で897億円。全体の46兆円に占める割合は0.2%となっている。このうち入院外が879億円で大部分を占めている。特に、入院外の診療所が776億円で大きく、病院の入院外は104億円にとどまっている。
 これらの結果を踏まえ、日本医師会常任理事の長島公之委員は、「2022年度はオミクロン株による感染拡大や不妊治療の影響などで医療費が伸びた。1人当たり医療費をみると、診療報酬上の特例などにより、1日当たり医療費の伸びは高いが、受診延日数が戻っておらず、特例分を除けば伸び率は低い。10月以降、特例分は減額となるが、医療機関の新型コロナ対応は続く。物価高騰もあり、医療機関の厳しい経営状況は続いている」と訴えた。
 一方、健康保険組合連合会理事の松本真人委員は、「診療報酬は患者が受けるサービスに対する対価であるため、1人当たり医療費よりも、1日当たり医療費の伸びに基づいて考えるべきだ」と述べるとともに、リフィル処方箋導入が医療費に与えた影響なども示してほしいと要望した。
 これに対して、長島委員は、受診回数が減れば、1回の受診における診療密度が高くなることを指摘。受診延日数の変化も反映された指標である「1人当たり医療費」が総合的に考えて重要と返した。

 

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  • [1] 2023.4.1 No.1029

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2023/230401.pdf

    2023/04/01 ... ▷「移行計画」には、各都道府県にお. いて、直近のオミクロン株の流行時に ... 中医協総会(小塩隆士会長)は3月. 8日、新型コロナ治療薬であるゾコー.

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