全日病ニュース

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神野副会長が地震の状況を語る

神野副会長が地震の状況を語る

 石川県七尾市で被災した神野副会長は、12日、現地の状況について次のように語った。

 皆様から多くの支援、お見舞い、励ましの言葉をいただきありがとうございます。
 能登半島は過疎地で高齢化率が高く、もともとインフラが非常に弱い地域であり、救援も困難を極めている。現在の七尾市は、電気は通っているものの、上水は復旧の目途が立っていない。七尾市以北の地域では、一本しかない道路が寸断している状況だ。
 幸いにも、当院の本館は免振構造で、井戸を掘り、地下水をろ過して飲料水に変える装置をあらかじめ作っていた。したがって、七尾市で唯一、損壊がなく水が問題なく使える病院として、地震発生日から救急・手術・分娩・検査等が平時の状態で実行できた。
 ただし、本館以外の病棟は非常に損壊が激しい。自衛隊から1日15トンの水の供給がないと、透析が再開できなかった。
 平時における医療を行いながら、救急時医療、災害時医療、そして復興に取り組む。正直、職員の労力は平時の3倍にはなっている。これから続く長丁場で、疲弊する職員をどうケアするかが極めて大きい。一方で、能登北部の病院は損壊が激しく、機能していない。何とか踏ん張って頑張っていこうと思っている。
 また、避難所では新型コロナが相当流行している。エコノミークラス症候群の患者もかなり運ばれている。感染症、災害関連死への対応がこれからのフェーズと考える。

 

全日病ニュース2024年2月1日号 HTML版

 

 

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