全日病ニュース

断水続き医療機関への影響も

【能登半島で震度７の地震】道路寸断し物流停滞　全日病AMATが出動し支援展開

　１月１日16時６分、石川県能登地方でマグニチュード5.5、最大震度５強の地震が発生した。その直後の16時10分、同じく石川県能登地方でマグニチュード7.6、最大震度７の地震が発生。石川県能登に大津波警報が発令され、これまでに最大1.2ｍ以上の津波が観測された。
　この一連の地震により、石川県輪島市、珠洲市、能登町、七尾市、穴水町を中心に建物の倒壊、路面亀裂・陥没が相次いだ。輪島市では大規模な火災も発生した。停電、ガスの供給停止、断水が生じており、24日時点で断水は石川県内において約４万6,000戸に及ぶ。地震による死者は233人、負傷者は1,408人（23日現在）。約１万5,000人が避難所や車内に避難した。石川県内の医療機関も被災し、停電、断水のほか、医療用ガスの使用ができない被害が発生した。

速やかに災害対策本部を設置
　地震発生を受けて、全日病は、救急・防災委員会を中心に情報収集を行い、１日に猪口雄二会長を本部長、加納繁照常任理事（救急・防災委員会委員長）、猪口正孝常任理事（AMAT本部統括）を副本部長とする、災害対策本部を設置。EMISまたは電話等で状況確認を行い、会員病院の被害状況を確認した。
　AMAT（全日本病院医療支援班、All Japan Hospital Medical Assistance Team）派遣については、11日までに計29隊を現地派遣。公立能登総合病院（ 能登医療圏活動拠点本部、DMAT活動拠点本部）、市立輪島病院（ 能登北部医療圏活動拠点本部、DMAT活動拠点本部）、恵寿総合病院（石川県七尾市、理事長＝神野正博・全日病副会長）を拠点に、避難所支援や診療・回診、リエゾンを行った。
　まず、２日に先遣隊として、日本医科大学付属病院（東京都）と南多摩病院（東京都）の２隊が現地に入った。翌３日にかけて、避難所対応や富山県庁・石川県庁での情報収集を行った。
　３日には済衆館病院（愛知県）が恵寿総合病院へ到着し、物資搬送や回診を行うほか、日本医科大学付属病院の第２陣が富山県氷見市に入った。
　４日には、先発の南多摩病院が市立輪島病院へ到着し、リエゾンを開始。東京曳舟病院（東京都）、花と森の東京病院（東京都）と平成立石病院（東京都）の混合チームも七尾市に入った。
　５日には赤穂中央病院（兵庫県）が公立能登総合病院でリエゾンを開始。その後も５日から11日にかけて、計22隊が現地で活動。JMAT等との引き継ぎが確認できたことから、11日をもってAMAT の派遣を終了した。