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ホーム全日病ニュース第799回/2013年4月15日号「院長の陣頭指揮でコーディング...

「院長の陣頭指揮でコーディング適正化に取り組んでいる」

「院長の陣頭指揮でコーディング適正化に取り組んでいる」

【DPC評価分科会】
適正なコーディングに取り組む5病院が報告

 不適切なコーディングの解消へ「コーディングマニュアル」の策定を目指している診療報酬調査専門組織DPC評価分科会は、4月3日、コーディング対策に取り組む病院から報告を受けた。
 ヒアリングに呼ばれたのは、専門病院、大学病院、中小規模総合病院、ケアミックス病院、大規模総合病院の5病院。
 このうち、専門病院として報告した医仁会中村記念病院は電子カルテを導入することなくDPCの診療情報処理に対応している。
 「疾患が絞られているのでコーディングの苦労は少ない」と説明しつつ、院長自ら診療情報管理士となり、診療情報管理委員会の委員長を務めながら、診療情報管理士主体にコーディングを進める院内体制を披露。「医師や医事課職員にも診療情報管理士の資格を取るよう呼びかけている」と述べるなど、コーディングを医師まかせとしない風土を紹介した。
 5病院はそれぞれの院内体制やチェック策などを報告したが、「適切なコーディングに関する委員会」1つとっても頻回・定期的に開催する病院がある一方で「年2回しか開かない」病院もあるなど、コーディング適正化の取り組みは病院の規模や体質等によって様々なかたちを取っていることがあらためて判明した。
 その中で、北里大学病院に対しては、分科会委員から「大学でDPCをどのくらい教えているか」「新人の入局者にコーディングをどのように教えているか」といった質問が出たが、同病院は医学部教育→臨床研修→入局という過程にDPC教育がきちんと位置づけられていないことを、事実上認めた。
 一方、病院の側からは、「審査支払機関によってコードの判断が異なる」「診療情報管理士の社会的地位を認めるべきではないか」など、厚労省に対する意見と要望が示された。
 個別病院の個別事例紹介に終始した感のある報告であったが、分科会の小山会長(東邦大学医学部教授)は、「5病院には、院長自ら陣頭指揮にたってコーディングの適正化に取り組んでいる点で共通するものがある」と、ヒアリングの結果をまとめた。

 

2013年度機能評価係数Ⅱ 主に救急医療と地域医療で格差開く

 厚生労働省は4月3日の診療報酬調査専門組織DPC評価分科会に、3月19日付で改正(厚生労働省告示)されたDPC対象病院2013年度機能評価係数Ⅱについて、その分布状況等を報告した。
 12年度改定で設定された基礎係数と暫定調整係数に変わりはないが、直近の実績を反映させる機能評価係数Ⅱについては、改定による係数Ⅱの評価総額を据え置いた上で(財政中立)、各係数とも、11年10月~12年9月までのデータにもとづいて再設定された。
 このうち、点数変動の影響を受けない地域医療指数を除いた5つの指数に関しては、診療報酬改定をまたいでいるために、11年10月~12年3月のデータから算出した指数と12年4月~9月のデータから算出した指数の相加平均を用いて係数を導いた。
 その結果、6係数の中でも、12年度改定で大きく評価された1 つが救急医療であったことを反映して救急医療に、また、医療計画における位置づけの影響度が大きいことから地域医療に、係数の大きな差が生じた。
 医療機関群別に係数が設定される「複雑性」「カバー率」「地域医療」の3係数については、病院機能の幅が広いⅢ群の係数分布に大きな差が生じている。

□機能評価係数Ⅱの分布範囲等

 

2013年度のDPC対象病院は1,496

 4月3日の診療報酬調査専門組織DPC評価分科会に、事務局(厚労省保険局医療課)はDPC対象病院・準備病院の現況報告を行なった。それによると、4月1日現在のDPC対象病院は1,496、一方、準備病院は244であった。
 DPC対象病院への新規参加は、2012年度以降は診療報酬改定の時に限ることになった。
 その関係で、対象病院は12年度改定で55病院が新たに参加して1,505となったが、12年度末に9病院が退出したために1,496へと減少、DPC導入以来初めて前年を下回った。

□DPC対象病院・病床規模別(13年4月)