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ホーム全日病ニュース第799回/2013年4月15日号病院に朗報。「座学1割以上」...

病院に朗報。「座学1割以上」の訓練で「正社員雇用奨励金」

病院に朗報。「座学1割以上」の訓練で「正社員雇用奨励金」

【ジョブ・カード】
13年度限りで「若者チャレンジ訓練」。「非正規雇用労働者育成支援」にも雇用奨励金

 「ジョブ・カード」を活かした正社員採用訓練に助成金が出る仕組みとして「非正規雇用労働者育成支援奨励金」があるが、これに、2012年度補正予算で「若者チャレンジ訓練」が新設され、3月18日から受付を始めた。4月5日の四病協・医療保険診療報酬委員会(委員長・猪口雄二全日病副会長)で東商ジョブカードセンターの岡本氏が明らかにした。
 「ジョブ・カード」については、全日病の医療保険・診療報酬委員会(猪口雄二委員長)で病院における活用の模索が始まった。その後、検討は四病協の同委員会に受け継がれ、元看護師が再就職就業するときの研修に活かしている病院より報告を受けるなど、活用方法の研究に取り組んできた。
 「ジョブ・カード」とは、正社員採用や自身のキャリアアップを目指す若者等が登録し、キャリアコンサルティングを受けながら職業訓練を経て就職にいたる過程を支援する仕組みをいう。
 いわゆるフリーター対策の1つであるが、訓練に要した費用の一定額が助成される上、「正社員雇用奨励金」までが支給されるとあって、同制度を積極的に申請する企業が増えている。
 病院の場合は、子育てを終えたり、他産業に就業した潜在看護師等の職場復帰に使えるだけでなく、事務職への登用にも活用できるとあって、利用した病院の評判はいい。
 東商岡本氏の説明によると、「若者チャレンジ訓練」は正規採用経験が乏しい35歳未満が対象。この訓練を終了した企業には、訓練生1人・1ヵ月あたり15万円、訓練生を正社員として雇用した場合は、1人当たり100万円(1年経過時に50万円、2年経過時に50万円)の奨励金が支給される。「正社員雇用奨励金」は、今年6月から「非正規雇用労働者育成支援奨励金」にも適用される。
 両コースのもう1つの特徴は、「訓練に占めるOFF-JTの割合は1割以上9割以下」ということ。座学による研修の時間は全体の10%を超えればよい、つまり、全時間の90%近くを実際の仕事の中で訓練するOJTに費やしてよいということだ。
 この制度を利用したい病院は訓練実施計画を作成、訓練開始日の1カ月前までに都道府県労働局またはハローワークへ申請すればよい。計画のつくり方は、各県の商工会議所に設置されているジョブ・カード(サポート)・センターが作成支援している。
 訓練生は、既に雇用している非正規の労働者を対象にしてもよく、あるいは、ハローワークや民間職業紹介機関などに求人を出して募集してもよい。もちろん、事業主が直接募集することもできる。
 応募者はハローワークなどに配置されている登録キャリア・コンサルタントからジョブ・カードの交付を受けた上で、訓練を実施する事業主と訓練に要する有期労働契約を締結する必要がある。
 「若者チャレンジ訓練」は13年度限りの措置であるので14年3月末までに手続きを終える必要があるが、支給額が720億円強の予算枠に達し次第終了となる。予算枠は都道府県で違うため、実施企業の競争率も都道府県で異なってくる。
 ジョブ・カード制度は厚労省、日本商工会議所のHP等に紹介されている。

□ジョブ・カードにもとづく有期実習型訓練諸制度