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ホーム全日病ニュース第813回/2014年11月15日号医療法人の事業展開等に関する検討会

海外の病院経営を附帯業務に追加。現地法人への出資を容認

海外の病院経営を附帯業務に追加。現地法人への出資を容認

【医療法人の事業展開等に関する検討会】
厚労省が医療法人の規制緩和を提案。「ホールディングカンパニー」も俎上に

 

 厚生労働省は11月6日に初会合をもった「医療法人の事業展開等に関する検討会」に、①医療法人が海外で展開する病院経営を附帯業務に追加する、②現地法人に対する出資を、剰余金の枠内に限るなどの一定要件を付して認める、という2つの提案を行なった(2面に資料を掲載)。
 同検討会は、閣議決定の「経済財政運営と改革の基本方針について」や「再興戦略」等で示された、医療を競争力ある産業として育成する視点から医療法人に関する規制緩和を進める方針を具体化するために設置された。
 事務局(厚労省医政局指導課)は、検討課題として、(1)医療法人制度のあり方、(2)医療法人等の間の連携の推進(医療法人の合併等)、(3)医療の国際展開、(4)医療機関による健康増進・予防や生活支援の推進、(5)社会医療法人制度のあり方、の5点を提示。
 この日は(3)の「医療の国際展開」をめぐる議論を、次回会合では(4)の「健康増進・生活支援の推進」、3回目には(2)「医療法人等の間の連携の推進」に関する検討を求め、年内に、(4)と(3)について合意を得たいと要請した。
 (2)の中では、国民会議報告書で提起された、「ホールディングカンパニー」の枠組みや複数医療法人のグループ化等の是非も検討課題にあげられている。
 社会医療法人は、現在も、過半数に満たない範囲で株式会社等への出資が認められている。この日の議論でも、複数から「(海外法人については)過半数を超える出資ができないと経営は困難」との声が出たが、この問題も議論が避けられないとみられる。
 検討会後、「海外法人への出資容認は国内における出資・融資の容認につながらないか」との本紙質問に、医政局の梶尾指導課長は「それは現時点で視野にないが、検討の中で求められれば議論せざるを得ないだろう」と答えた。