全日病ニュース

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ホーム全日病ニュース第813回/2014年11月15日号厚労省「これからの5年が将来を決める重要な

厚労省「これからの5年が将来を決める重要な期間」

厚労省
「これからの5年が将来を決める重要な期間」

【第55回全日本病院学会in 埼玉】
江利川元事務次官 「提供体制は地域特性を踏まえて対応―都道府県に権限と財源を与える」

 「地域医療を担う我ら―埼玉から日本へ発信」をテーマに掲げ、11月2日、3日にさいたま市で開催された「第55回全日本病院学会in 埼玉」(埼玉県支部担当・中村康彦学会長)は、総演題数が689題に達した上、参加登録者も全日病学会史上最多の2,555人にのぼるなど、昨年の神奈川学会を凌駕する盛り上がりをみせた(1面記事を参照)。

 

 特別講演で、厚労省医政局の佐々木室長は、2014年度に開始予定の医療機能情報報告制度、15年度の地域医療ビジョン策定、18年度の、次期医療計画と介護保険事業計画の策定そして同時改定という工程を説明。「これからの5年が皆さんの将来を決める重要な期間となる」と、注意を喚起した。
 同じく特別講演で、元厚生労働事務次官の江利川毅氏は、今後の改革において「医療保険制度は全国的視点で対応するが、医療提供体制は地域特性を踏まえて対応していく」ことがベースであり、「都道府県の役割を大きくする。そのために権限と財源を与える」流れであるとの認識を表わした。
 7月に全日病が公表した「プライマリ・ケア宣言2013」を踏まえて行なわれた日本プライマリ・ケア連合学会との連携シンポジウムで、西澤会長は、「今後も同学会と全日病が共同して討論会や研修を実施し、総合診療医の普及に協力しあっていきたい」と、抱負を明らかにした。
 地域一般病棟について講演した猪口副会長は、全日病が調査した地域一般病棟的な機能をもつ急性期病院のデータ、厚労省の中医協や医政局検討会における機能分化の議論、さらには日医・四病協共同提言の医療機能区分案を紹介。
 「多様な議論が起きている。問題は、急性期における在宅医療と介護対応をどのように位置づけるかである」と整理しつつ、「次の改定で拡大される亜急性病床が医政局のいう急性期と回復期のどちらになるのか」が重要な分岐になると指摘した。
 他方で、「地域一般病棟的な病院(病棟)は必要だが、その呼称は見直すべきかと考えている」ことを明らかにした。
 「消費税の今後について」講演した自民党税制調査会の野田毅会長は、10%に上がるときに医療の非課税問題をどう取り扱うかについて、「乗り越えなくてはならない様々なハードルがある」という認識を披露した。

第55回全日本病院学会in 埼玉