全日病ニュース

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再度の共同活動―地域医療構想に向けた提言作成を宣言!

【日医と四病協】

再度の共同活動―地域医療構想に向けた提言作成を宣言!

「地域で日医と病院団体が一枚岩で対応する。その共通認識となる考え方をまとめる」

 日本医師会と四病院団体協議会は5月13日に厚生労働省の厚生労働記者会で共同記者会見(写真)を行ない、「今後の医療提供体制の充実および地域包括ケアシステムの構築の推進のため、医療の提供者の立場から、2015年度中の提言のとりまとめを目指していく」ために、日医・四病協懇談会の下にワーキンググループを設置して検討を進めていく方針を発表した。
 会見には、日医から横倉会長と石川日医常任理事、四病協からは西澤全日病会長、堺日病会長、加納医法協会長代行、長瀬日精協副会長が出席した。
 日医と四病協は2013年にWGを設置し、8月に『医療提供体制のあり方』と題した合同提言を行なった。
 その中で「医療提供体制構築にむけての基本方針」を示すとともに「かかりつけ医」と「かかりつけ医機能」の定義を明らかにした。その一方で、病床機能報告制度で報告する病床の区分案を提案。病床の区分案は検討会がとりまとめた報告に反映され、同制度における病床機能区分の呼称として採用されている。
 四病協は同年11月に、合同提言の骨子を基にした追加提言(『医療提供体制のあり方―地域包括ケアシステム構築に向けて』)を行ない、病床機能と病院機能の考え方を整理して示すとともに、「かかりつけ医」とともに地域包括ケアを支える医療機関として「地域医療・介護支援病院」(仮称)を提唱。日医はこの追加提言を支持した。
 今回設置するWGは前回の延長上に位置するが、新たな課題として、2015年度から策定が始まった各都道府県の地域医療構想とその推進母体となる地域医療構想調整会議に対して、医療提供側の共通認識となる将来の医療提供体制の考え方や政府等の諸施策に対する対応方針の綱領的なものを策定していく。
 一般紙を含む記者団からの質問に答える中で、日病の堺会長は、地域医療構想の下で「医療者が一枚岩となって対応していく必要があるというのが我々の共通認識である」と、WGを設置した背景を明らかにした。
 全日病の西澤会長は「地域医療構想の策定ということで都道府県が主役となるが、構想が問うのは日本全体の医療制度である。したがって、中央が一枚岩となってしっかりした提言を示し、それを踏まえて、各地域の医師会と病院団体が一丸となって対応してもらう必要がある」と、WGがまとめる提言の狙いを語った。
 こうした発言を踏まえ、横倉日医会長は「地域医療構想を推進する中で色々な問題が生じよう。それに地域の医師会が中心となって対応するが、そのときに病院団体の意見をしっかり聞きながらやっていく。地域における医師会と病院団体の密接なつながりができるように中央レベルで団結するということだ」と、日医と四病協が再び共同活動を開始したことの意義を語った。
 さらに、西澤会長は、地域医療構想に向けた病院団体の役割に言及。
 「各都道府県によっては支部をもたない病院団体もある。しかし、四病協の4団体がしっかり連合を組むことによって、すべての構想区域の調整会議に参画していきたい」と踏み込んだ考えを示した。