全日病ニュース

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主要改定項目の議論終わる。7対1病院は再び激震か

主要改定項目の議論終わる。7対1病院は再び激震か

【2016年度診療報酬改定】
地域包括ケア病棟はほぼ現行どおり。中小病院には負担が大きいDPCの見直し

 2016 年度改定の議論は12月11日をもってほぼ終わり、中医協総会は12月16日に補足的な議論を行なった後は、改定率の報告を受けるのみ(12月25日)となった(2 〜3 面に関連記事)。
 在宅医療では、患者の状態、居住場所、診療人数に応じた新たな報酬体系の案が示され、在総管・特医総管の算定要件に「月1回訪問」を新設する方向となった(11月11日)。
 リハに関しては、提供量に対する実績が基準を下回る回復期リハ病棟は1日6単位を超える疾患別リハを算定できないとする厳しい見直し案が示された(12月2日)。
 また、廃用症候群のリハの縛りを強化する一方で、維持期リハの要介護者を移行させるために医療保険と併用した介護保険のリハを試行させる提案も行なわれている。
 最重要課題の7 対1 病棟に関して、事務局は、一般病棟用「重症度、医療・看護必要度」の新項目を示し、患者該当割合を15%から大きく引き上げることを示唆した(12月7日)。
 それだけでなく、平均在院日数と在宅復帰率の要件も見直される方向だ。
 この7 対1 病棟に関しては、その移行を円滑にする目的で、一定期間、7 対1 を病棟群単位で届け出ることができるという案も提示された(12月9日=写真)。
 病棟種別毎という現行届出の欠陥を補う策となるが、事務局は「7 対1からの移行に限定した一時的な措置だ」と説明、本格的導入を否定している。
 医療従事者の負担軽減に関連して、月平均夜勤時間の計算方法を実態に即して見直すことや月平均夜勤時間超過減算の期間延長と特別入院基本料との間にもうひとつ階段を設ける案が検討されている(11月25日)。
 さらに、医師事務作業補助体制は加算1の算定をより拡大する方向で要件を見直していく、あるいは、夜間急性期看護補助体制加算の評価を引き上げる中で看護補助者の役割分担を広げる方向が示された(12月11日)。
 一方、データ提出加算届出の要件を10 対1 にも適用する方針が示された(12月11日)。
 DPCに関しては、Ⅲ群における基礎係数と機能評価係数Ⅱの配分の見直しが先送りされ、機能評価係数Ⅱの各係数への配分を変えるという話も否定された。その一方で、算定ルールの変更、使用持参薬時のデータや「重症度、医療看護必要度」のEF 統合ファイルへの入力など、中小のDPC病院は負担が強まる改定となりそうだ。
 16年度は比較的動きの少ない改定とみられてきた。現に、地域包括ケア病棟に関しては大きな見直しが見送られた。
 しかし、7 対1 病院が受ける影響は前改定にもまして大きなものとなりそうだ。