全日病ニュース

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新たな施設類型 日医・四病協案と厚労省案を軸に具体化か

【療養病床の在り方等に関する検討会】

新たな施設類型
日医・四病協案と厚労省案を軸に具体化か

 療養病床の移行先となる新たな施設類型について議論している「療養病床の在り方等に関する検討会」の11月27日の会合に、鈴木構成員(日医常任理事)は、一歩踏み込んだ新類型の考え方を提示した(12月1日号既報)。
 日医と四病協の連名による考え方で、新類型の枠組として、(1)医療機関に特例的機能をもつ空間を併設し、当該医療機関が特例部分に医療を提供する「医療外付型」、(2)特例部分と医療機関が複合化した「医療内包型」(老健施設・特養より手厚い医療提供が可能な入所施設)の2タイプを打ち出した。
 一方、厚労省も、①医療を内包した施設、②医療を外から提供する「住まい」と医療機関の併設施設という、2タイプの枠組を提起した。
 鈴木構成員の提案は、医療機関と入所施設の併設による「医療外付型」と入所施設の医療機能を充実化させた「医療内包型」からなり、厚労省の案と枠組は重なっている。
 病院に住まいを併設するとして院内SNW(Skilled Nursing Ward)を提起した池端構成員(池端病院院長)は「四病協の案に賛成する。SNW を提案したが、それにこだわるつもりはない」と賛意を示すなど、検討会は、日医・四病協案と厚労省案を軸に、新たな類型の具体化に向かうことになりそうだ。
 検討会は12月25日の会合で新類型の論点を深掘りし、1 月半ばの取りまとめを目指している。

□構成員を務める土屋繁之常任理事の談

 議論がだいぶ煮詰まってきた。厚労省は、介護療養病床の廃止は譲れないとしているが、医療療養病床25 対1に関しては、経過措置ないしは算定要件未達による減算などの対応も可能とすることに含みを残している。
 そんな中で、現在入所・入院している患者の受け入れをどのような新しい類型で行うかが議論されてきたが、「介護」と「住まい」をともなうという点が概ね共通認識になった。
 しかし、それに医療をどのように付けるかということになると、議論はまとまらなくなる傾向がある。
 この医療を担っているのが我々であるが、新しい類型ができても、その内容が理解でき、魅力を感じ、経営的にも安定するという展望がなければ、進んで移行することは難しい。ここがこれからの重要な論点となると思われる。