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患者申出療養でインフィグラチニブ経口投与を承認

患者申出療養でインフィグラチニブ経口投与を承認

【厚労省・患者申出療養評価会議】救済的措置で実施

 厚生労働省の「患者申出療養評価会議」(福井次矢座長)は11月22日、「線維芽細胞増殖因子受容体に変化が認められる進行固形がんを有する日本人患者を対象としたインフィグラチニブ経口投与の長期安全性試験」を患者申出療養として了承した。実施医療機関は名古屋大学医学部附属病院。保険給付されない費用は77万2千円、保険給付される費用は10万5千円、自己負担は4万5千円となっている。
 患者申出療養は、保険診療と保険外診療の併用を認める保険外併用療養の一つ。先進医療や治験の適格基準を満たさない患者などに、一定の安全性・有効性が確認された医療について、患者の申出を起点として、国に申請し、臨床研究中核病院などで実施される。
 今回の事例では、国内で日本人6名に対し、FGFR陽性進行固形がんの治療でインフィグラチニブ(ノバルティスファーマ)の治験を行ってきたが、12月で国内治験(第Ⅰ層試験)が終了した。1人が継続投与を希望し、患者申出療養を申請した。
 現時点で、海外でも薬事承認はされておらず、有効性・安全性の確認は不十分な状況だが、患者への救済措置として、認めることになった。目的は、「インフィグラチニブの長期投与における安全性評価」、評価項目は「高リン酸血症の長期投与における推移、および晩期毒性」としている。

がん遺伝子パネル検査に対応
 がん遺伝子パネル検査により、効果が期待できる治療薬を患者申出療養で早期に受けられる体制を整えることも決まった。がん遺伝子パネル検査を実施する医療機関に、患者申出療養を実施する臨床研究中核病院を周知し、準備を整えることで、審査に数カ月かかる従来に比べ、申出から治療開始までの期間を短縮する。
 先進医療で実施されているがん遺伝子パネル検査では、最新の解析技術を用いて、がん細胞に特異的な遺伝子の異常を網羅的に調べ、特定の遺伝子異常に応じた最適な治療法を考えることができる。治療薬は、保険外の治療薬であれば、先進医療や治験の仕組みがあるが、適格基準を満たせなければ、治療を受けられないため、患者申出療養が選択肢になる。
 今回の対応では、がん遺伝子パネル検査の結果、既承認薬として、固形がん約10種類の遺伝子異常と、それに対応する約20種類の分子標的薬の適応外使用を想定した患者申出療養とする。
 具体的には、早期に治療が受けられる体制として、①研究計画書をあらかじめ作成し、患者申出評価会議で承認を得る②臨床研究中核病院で研究計画書を共有する③患者の同意を得た上で症例データを一時保存する─などの対応を図る。

 

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