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ホーム全日病ニュース(2018年)第931回/2018年12月15日号薬価と実勢価格との平均かい離率は約7.2%...

薬価と実勢価格との平均かい離率は約7.2%

薬価と実勢価格との平均かい離率は約7.2%

【中医協・総会】来年度予算の社会保障圧縮財源に

 厚生労働省は12月5日の中医協総会(田辺国昭会長)に、今年9月分の医薬品価格調査と特定保険医療材料価格調査の速報値を発表した。薬価の平均かい離率は約7.2%、保険医療材料は約4.2%だった。今回の結果を基に、消費税10%の消費税負担の対応を実施する。消費税が上がる来年10月に、実勢価格に基づく、価格引下げを行った上で、消費税2%分の補てんを行う方向だ。実勢価格に基づく引下げ財源は、2019年度予算の社会保障費圧縮の財源として使われ、2020年度診療報酬改定の財源とはならない。
 今回の調査結果は、2018年9月取引分について、販売側から11月6日までに報告があったものの集計結果。保険医療材料は、ダイアライザー、フイルム、歯科材料、保険薬局調査分以外は、5~9月分の取引分となっている。
 医薬品を投与形態別にみると、全体の6割を占める内用薬の平均かい離率は8.2%、3割を占める注射薬は5.2%、1割を占める外用薬は6.6%である。なお、全体の0.1%である歯科用薬剤は▲5.7%と、逆ザヤが生じている状況だ。内用薬で特にかい離率が大きいのは、血圧降下剤(11.7%)、消化性潰瘍用剤(10.8%)、高脂血症用剤(12.2%)である。
 また、後発医薬品の数量シェアも報告され、約72.6%だった。数量シェアの新指標では、後発品の数量を、後発品のある先発品の数量と後発品の数量を足した数量で、除した数値である。政府は2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とすることを目標としている。

医療機関の消費税問題で猪口会長発言
 同日の総会では、医療機関等における消費税負担に関する分科会(荒井耕分科会長)がまとめた診療報酬の消費税負担対応分の「議論の整理」を了承した。全日病会長の猪口雄二委員は、「消費税を5%から8%に上げた2014年度の対応では、検証間違いがあり、補てん不足が長く放置された。今後は、できるだけ早く定期的に報告するとともに、第三者が検証できるよう補てんの手法の詳細を明らかにしてほしい」と要望した。

手続き遺漏のDPC病院にペナルティ
 DPC対象病院の病床数変更の報告に関しては、今回の承認病院の中で、手続きで定めた申請に遅れがあったことから、今後、DPC対象病院の合併・分割等に関する手続きに遺漏があった場合に、何らかのペナルティを設けることを決めた。
 DPC対象病院は、変更年度の前年度10月1日時点における対象病床数を基準として、①合計200床以上の増減があった場合②2倍以上または2分の1以下となる場合に、変更後もDPC制度への継続参加を希望するなら、申請し、中医協で審査を経なければならない。
 今回、3件の病床数の変更案件を承認したが、うち2件で手続きに遅れがあった。遅れがあったのは、重井医学研究所附属病院(岡山県)と一般財団法人防府消化器病センター防府胃腸病院(山口県)。重井医学研究所附属病院はDPC対象病床数を80床から40床に減らした。防府消化器病センター防府胃腸病院はDPC対象病床数を120床から60床に減らした。
 一方、独立行政法人地域医療機能推進機構さいたま北部医療センターは、来年5月の病床数変更で、期限通りに申請し、承認を得た。DPC対象病床数が118床から54床になる。

 

全日病ニュース2018年12月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 後発品や長期収載品、新薬創出等加算の論点を整理|第901回/2017 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20170901/news05.html

    2017年9月1日 ... 中医協の薬価専門部会(中村洋部会長)は8月9日、薬価制度の抜本改革に向けた4月
    中旬以降の議論を整理した。①後発 ... 薬価のあり方については、先発品の5割を原則(
    10品目を超える内用薬は4割)とする価格のさらなる引下げが課題となる。 ... 対象
    医薬品の範囲については、現在平均かい離率を超える新薬は対象とならないが、平均
    かい離率が直接的に、革新性を評価する指標ではないとの指摘がある。

  • [2] 薬価算定の基準について

    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2018/180209_1.pdf

    2018年2月7日 ... ってきたところであるが、薬価制度の抜本改革として、中央社会保険医療協議会に. お
    いて、別添の ... 投与形態とは、内用、注射又は外用をいう。 5 剤形区分 ...... 当該既
    収載品を含む類似薬の平均乖離率が、全ての既収載品の平均乖離率.

  • [3] 中医協総会> オプジーボの薬価を半額に

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20161215/news03.html

    2016年12月15日 ... 中医協総会(田辺国昭会長)は11月16日、抗がん剤のオプジーボ(小野薬品工業)の
    薬価を半額に下げることを了承した。オプジーボ点滴静 ... 今回の対応では、薬価調査
    は行わないため、販売額は小野薬品工業が公表する仕切価格(出荷価格)を用い、それ
    を薬価ベースにした。オプジーボの2016年度 ... かい離率は、2015年薬価調査での「
    腫瘍用薬(注射薬)」の平均かい離率6.9%の半分にした。新薬創出等加算 ...

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