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新型コロナウイルスのPCR検査を保険適用

【厚労省通知】公費により患者の自己負担はなし

　厚生労働省は３月４日、新型コロナウイルス感染症のPCR検査の保険適用を通知した。検査名は、「SARSCoV-2（新型コロナウイルス）核酸検出」（PCR検査）で、同日、中医協委員の持ち回りで了承を得た。
　採取した検体を検査機関等に輸送し検査を委託する場合は、「SARS コロナウイルス核酸検出」の４回分を合算した点数を準用する（1,800点）。それ以外の場合は３回分の点数を準用する（1,350点）。検査に伴う医療費の自己負担は公費が給付され、自己負担は発生しない。適用は３月６日から。
　これまでは、帰国者・接触外来の医師がPCR検査の必要性を判断し、保健所に相談の上、行政検査を行っていた。今後は、行政検査の一環としつつ、保健所への相談を介さずに、医師の判断により、PCR検査を行うことができる。ただし、当面の間は、院内感染防止や検査の精度管理の観点から、「帰国者・接触外来」と都道府県が認めた医療機関に実施機関を限定している。
　PCR検査は新型コロナウイルスの診断・治療を目的とした場合に限り算定できる。「１回に限り算定」としているが、結果が陰性で診断がつかない場合は、もう一度算定できる。
　自己負担分は公費で相殺するため、発生しない。例えば、行政検査の場合、PCR検査料（1,800点・検体を輸送する場合）と検体検査判断料の微生物的検査判断料（150点）の自己負担分に対する公費として、３割負担の場合は5,850円、２割負担の場合は3,900円、１割負担の場合は1,950円を都道府県が医療機関に支払う。この場合、外来受診における初再診料等は含まない。

診療報酬上の取扱いを事務連絡
　新型コロナウイルスの医療機関に与える影響を踏まえた対応として、厚労省は、診療報酬上の臨時的な対応を講じている。
　２月14日の事務連絡では、◇新型コロナウイルス感染者等による定数超過入院の減額措置は適用しない◇新型コロナウイルス患者等により一時的に患者の急増や職員の不足が生じ、入院基本料の施設基準が満たせなくなった場合は変更の届出をしなくてよい─ことを示した。
　２月28日の事務連絡では、慢性疾患等を有する定期受診患者等に対する電話や情報通信機器を用いた診療、処方箋の送付、調剤等に関する留意点を示した。３月２日の事務連絡では、200床以上の医療機関の再診料である外来診療料について、「電話等による再診を行った場合の再診料」を算定できることを明確化した。通常は、200床未満の医療機関でないと算定できない。
　新型コロナウイルスの感染防止の観点から、感染源と接触する機会を少なくするため、定期的に受診する患者などは、受診間隔を空けることを政府は求めている。地域によりかかりつけ医機能を持つ医療機関が、近くに存在しない場合があり、外来診療料を算定する病院でも対応を図る。