全日病ニュース

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ホーム全日病ニュース(2020年)第967回/2020年7月15日号中小病院の病院機能評価認定率向上を目指して③
樫村病院の初回訪問レポート

中小病院の病院機能評価認定率向上を目指して③
樫村病院の初回訪問レポート

中小病院の病院機能評価認定率向上を目指して③
樫村病院の初回訪問レポート

中嶋照夫(病院機能評価委員会 特別委員、事務管理アドバイザー)

 事務管理担当の私は、例年であれば梅雨の雨空に早苗田が瑞々しく映えるはずの6月8日、満を持して讃岐路に入路した。しかしこの日は、一足飛びに列島各地が夏日に直面したような暑い日であった。陸路高松入りしたが病院到着は、講義開始予定時間ギリギリであった。会場には、既に院長先生以下病院全職員の3分の1程の方々が待ち構えておられ、挨拶もそこそこに本日のレクチャーを開始した。
 この日は大きく区分して3部形式で、機能評価について解説を行った。第1部は『機能評価とは』の概念解説、第2部は事務管理関連の項目解説、そして第3部は現場訪問を若干の時間を使って行った。少し予定した時間より超過し、集まっていただいた職員の皆さんには午後1時から5時半まで、みっちりと機能評価に浸かっていただいた。
 第1部では、機能評価のごく基本情報としてドナベディアン先生が提唱されたStructure、Process、Outcomeの三要素による機能をベースとして質を評価する手法の解説から講義を始めた。その上で、今後本格的スケジュール展開がされた際に、機能評価の目指す医療の質向上運動に少し抵抗感を持った職員が出てくることが想定されるので、『医療が大きく変革する今、昨日と同じ仕事をしているだけでは、明日も同じ仕事が得られるとは限らない。』という、警世句的な話題も提供した。機能評価の原点を踏まえて、病院一丸となって活発な改善運動の展開が望まれる。
 第2部は、事務管理サーベイヤーが担当する項目を1.1.4以降順に詳細な解説を行った。ここでは、セミナー用の解説ツールを基軸として提示し、それに当該病院の自己評価コメントと、同項目のアドバイザーコメントを重ね合わせる手法で各項目の解説を行った。講義では、各項目のねらいや求めている内容、それに対する病院の現状と課題認識を明らかにしつつ、同項目の我々アドバイザーの疑問・懸念、賛意そして解決手法などを具体的にお話しした。しかし、時間の制約から全ての項目が解説できたわけではなかった。
 第3部は残った時間で、栄養部門、中材の一部、薬剤部門、検査科、医事課等事務関連部門及び外来の一部等に駆け足で立ち寄って、各部門の職員の方々と課題を共有した。各部門で交わした課題等を備忘のため以下に記す。
①厨房;床の清掃状況、最高温度の記録点
②中材;EOG使用における環境測定の必要性
③薬局;採用薬剤の品目数の明確化、アスパラK剤型の懸念(10mEq故に問題なし⁉)、新規採用時の1増1減の徹底(明文化)
④検査科;輸血血液の専用保冷庫の設置、ホルマリン分注容器の購入もしくは環境測定
⑤連携情報の統括部門の位置づけ(社会福祉士が新規採用される)

 

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