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返戻再請求を2022年10月にオンライン化する方針

【厚労省・審査支払機能あり方検討会】審査結果の不合理な差異解消に向け工程表案

　厚生労働省は１月22日、審査支払機能の在り方に関する検討会（菊池馨実座長）に、オンライン請求の促進に向けて、2022年10月に医療機関等における返戻再請求をオンライン化する方針を示した。
　医療保険事務全体の効率化を図り、オンラインで請求を行っている医療機関と薬局でデジタル化をしているメリットを最大化するため、厚労省は紙レセプトを極力減少させる必要があるとしている。
　現状、審査支払機関から医療機関に返戻されたレセプトの再請求は、出力紙レセプトで再請求することが可能となっている。
　厚労省は、2021年10月から、オンライン請求を行っている医療機関等へ審査支払機関がレセプトを返戻する際、紙で行うことをやめ、オンラインによる返戻のみとする方針を示した。医療機関が行う返戻再請求については、紙媒体で返戻されたレセプトの再請求を除き、2022年10月からはオンライン化する方針を示した。
　保険者による再審査申出に関しても、2021年10月には大規模保険者について、2022年10月からはすべての保険者について、オンラインによるものとする方針だ。
　この厚労省案に対し、日本医師会の松本吉郎委員は、進め方が性急だとして反対を表明した。松本委員は、「オンライン資格確認の導入で、現在145万件ある資格過誤返戻がどれほど減るかを見極めた上で、再請求のオンライン化に取り組めばよい」と述べた。他方、厚労省案に賛成する意見も出された。
　返戻再請求をオンラインで実施するためには、オンライン請求の機能が備わっていない請求システムを利用している医療機関は、オンライン請求の機能をシステムに追加する必要がある。オンライン請求機能をもつ請求システムを導入している医療機関でも、その機能を開放していない場合があり、そのような医療機関ではオンライン請求のために開放作業が必要になる。
　また、厚労省は同日、審査結果の不合理な差異の解消に向けた取組みの工程表のたたき台を示した。
　国保の総合システムについては更改が2024年４月に予定されており、そこで国保と支払基金のコンピュータチェックを整合的にすることをめざす。
　審査基準の統一に向けては、両機関の審査委員の併任を順次進める。支払基金と国保連の審査基準の統一に向けて、連絡会議で両機関間の調整を進める。
　同日、支払基金の神田裕二理事長は、連絡会議とは別に、ブロック単位でも両機関の基準を調整する仕組みをつくることを提案した。国保中央会の原勝則理事長は、「ブロックの単位が支払基金と国保は違うが、協議に応じたい」と答えた。