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オンライン資格確認機器の導入見積額の平均は398万円

【四病協・総合部会】190万～210万円の国の助成額水準を大きく上回る

　四病院団体協議会は２月24日の総合部会後の会見で、医療保険の医療機関でのオンライン資格確認導入に関する緊急調査の結果を公表した。システムベンダーから提示された見積額は、調査対象病院の平均で398万円。最高金額は1,228万円（２病院分）、最低金額は79万円だった。国の助成額が足りておらず、導入予定病院からは、様々な不満が出ている。
　医療保険の被保険者が医療機関の窓口で、マイナンバーカードでの資格確認が可能になるオンライン資格確認については、医療機関が顔認証付きカードリーダーを購入し、システムを整える必要がある。国は、今年度中に申請すれば、病院に対して190万～ 210万円を助成することができ、負担がゼロになると説明している。
　しかし、システムベンダーからの見積額をみると、「負担がゼロにならない」との声が上がっていた。四病協は、今回緊急調査を実施し、28病院から回答を得た。見積額が示された病院の導入経費の平均は398万円で、助成金の水準を大きく上回っていることがわかった。
　内訳をみると、「顔認証付きカードリーダー」単独では９万９千円でほぼ一致している。しかし、「ネットワーク環境の整備」では、300万～ 400万円、「レセプトコンピュータの既存システムの改修費」では、102万～ 470万円という大きな差が生じている。
　このため、助成金水準に対する回答は、「不足」が53％、「非常に不足」が47％という結果になった。具体的な不満としては、「システム改修経費を加えると、助成金を超えてしまう」、「設置台数にもよると思うが、資格確認端末だけで補助金の９割以上を占める」、「レセプト、電子カルテ改修費用が高額で、導入に際して持ち出しが発生する」などの意見が寄せられた。
　なお、調査対象の28病院のうち、24病院（85.7％）が医療法人であり、電子カルテを導入している病院は25施設（89.3％）であった。顔認証付きカードリーダーの機種を決定したのは17病院。台数は１台が２病院、２台が３病院、３台が７病院、４台が３病院、５台が１病院、７台が１病院となっている。
　同日の総合部会では、こうした状況を踏まえ、厚生労働省から説明を受けている。厚労省の担当者は、オンライン資格確認のシステムは、クレジットカード決済の仕組みと同様に、複雑なものではなく、著しく高額にはならないと説明。どのような細目で見積もりができているのかを各病院で精査し、システムベンダーと話し合いを行うことが重要であると強調した。
　その上で、厚労省にも個別の医療機関から苦情が多く報告されているとして、適切な料金設定を指導している旨を述べた。ただ、資格受付けの窓口が複数ある大病院の場合だと、見積もりが高額になりがちであると述べた。
　厚労省は、今年度中に６割の医療機関がオンライン資格確認を導入することを目標としている。ただ、２月21日時点で顔認証付きカードリーダー申込数は32.8％にとどまる。うち診療所が24.6％、病院が42.6％。３月上旬に500医療機関でプレ運用を実施し、３月下旬から本格開始する予定だ。