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勤務医が働き方改革への気づきを持つ方策を

【厚労省・情報発信作業部会】情報発信内容の具体案を概ね了承

　厚生労働省の医師の働き方改革の推進に関する検討会の「勤務医に対する情報発信に関する作業部会」（馬場秀夫座長）は2月16日、勤務医に対する医師の働き方改革に関する情報発信内容の具体案について、概ね了承した。勤務医が働き方改革への気づきを持つための方策を盛り込んでいる。
　作業部会では、医師の働き方改革の当事者であるものの、多忙等により情報が届きにくい勤務医に対し、広く伝えるための方法論を検討している。
　具体案では、実際に情報周知を行う医療機関内の関係者の負担軽減のため、「基礎編」と「詳細編」を整理したコンテンツを作成するとした。また、行政や医療関係団体を通じた周知に加え、ウェブサイトによる発信などを行うとした。
　厚労省は、「制度内容の周知に当たり、勤務医の予備知識が少ない可能性を念頭に置く必要がある。医師の働き方改革に関する気づきや興味を勤務医が持つための最初の入り口として、所属医療機関内での関係者による発信が効果的である」と説明した。
　また、同日、医療機関内での意見交換会について実施報告がされた。
　意見交換会は、医療機関における医師の働き方改革を推進するためのアプローチの検討のため、医療機関内での医師の働き方改革に対する世代・立場間の受け止めの違いについて、認識共有あるいは相互理解を深める目的で実施。東海大学医学部付属病院、聖路加国際病院、社会医療法人愛仁会千船病院の３医療機関で、厚労省の立会いのもと開催された。
　聖路加国際病院副院長の山内英子委員は、自院での意見交換会について報告。診療科、性別、役職の異なる医師４名を３つのグループに分けてディスカッションを行った。参加者は、厚労省の資料をもとに作成したeラーニングの受講により、事前に基礎知識を得た状態で臨んだ。実施後のアンケートでは、「（異なった立場の）様々な意見を聞くことができた」との意見が多くあがった。
　山内委員は、「ワークショップは、情報発信の戦略として有効。事前のeラーニングも参加者の知識量を一定にするのに有用だった。全国の医療機関でも、労働時間短縮計画の策定に向けてこうした取組みを進めていただき、各病院での課題の抽出の場としてほしい」と述べた。
　委員からは、全国の各医療機関で意見交換会を開催するためのツールの提供や、インセンティブを含め意見交換会の制度化を求める意見が相次いだ。
　2024年以降、B水準またはC水準を適用するため都道府県からの指定を受ける前提として、労働時間の短縮に関する計画案の提出が必要なことから、「時短計画策定のための一手として院内の意見交換会を実施すべき」との意見もあがった。
　厚労省は、意見交換会等で使用するツールを、具体案に加えることを検討するとした。また、検討会との協議の上、医療機関における意見交換会の制度化に向けた検討を進めるとした。