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2022年度診療報酬改定の関係法令や通知出る

【厚労省】「急性期充実体制加算」の実績要件などが示される

　厚生労働省は３月４日、2022年度診療報酬改定の関係法令や通知・事務連絡を出すとともに、地方厚生局への説明資料をホームページに掲載した。施設基準で求められる実績要件が明らかになった「急性期充実体制加算」の詳細などをみていく。
　急性期一般入院料１の加算として新設された「急性期充実体制加算」は、７日以内が460点、８日以上11日以内が250点、12日以上14日が180点であり、高い点数が設定された。
　主な施設基準としては、◇急性期一般入院料１を算定している◇総合入院体制加算の届出を行っていない◇手術等の実績◇24時間の救急医療体制として、救命救急センターもしくは高度救命救急センターまたは救急搬送の実績◇救命救急入院料等の治療室の届出◇感染対策向上加算１の届出◇精神科リエゾンチーム加算または認知症ケア加算１または２の届出◇「院内迅速対応チーム」の整備等を行っている◇療養病棟または地ケア病棟の届出を行っていない◇外来を縮小する体制を確保している─などがある。
　ただ、具体的な実績については、答申段階では、「急性期医療を提供するにつき十分な体制の整備」、「高度かつ専門的な医療及び急性期医療に係る実績を十分有する」となっていた。
　今回、その詳細が示された。
　「手術等の実績」は、「全身麻酔による手術が年２千件以上（緊急手術が年350件以上）または300床未満で年１床当たり6.5件以上（緊急手術が年１床当たり1.15件以上）」となった。さらに、満たさなければならない、いずれかの要件として、「異常分娩」、「６歳未満の手術」、各手術や化学療法などの実績がある。総合入院体制加算と比べても、高い実績が求められる施設基準だ。
　24時間の救急医療提供の実績は、救命救急センターや高度救命救急センターでない場合は、「救急搬送件数が年２千件以上または300床未満で年１床当たり6.0件以上」とされた。さらに、自院または他院の精神科医が速やかに診療に対応できる体制なども求めた。
　外来機能分化に係る取組では、「紹介割合50％以上かつ逆紹介割合30％以上」等または紹介受診重点医療機関であることを施設基準としている。また特定の保険薬局との間に不動産の賃貸借取引がない、ことも条件となっている。
　DPC 制度については、2022年度改定による見直しにより、各指標がどのようになったのかが示された。診断群分類による点数設定方式のうち、D方式（初日に入院基本料を除く報酬がすべて償還される）は、短期滞在手術等基本料３の大幅増により、95から153分類に増えた。DPC対象病院は、短期滞在手術等基本料３を算定できない。
　医療機関別係数のうち基礎係数は、DPC標準病院群が1.0395、大学病院本院群が1.1249、DPC特定病院群が1.0680となった。診断群分類数は2021年４月の4,557種類から2022年４月には4,726種類に増える。
　オンライン診療の点数設定については、中医協の診療側と支払側の意見の隔たりが大きく、公益委員による裁定となった。裁定では、対面診療の初診料が284点で、「時限的・特例的な対応」の初診料が約75％の214点であることから、その中間程度の水準に、オンライン診療の初診料を設定した。この水準は約87％で、オンライン診療の初診料は251点となった。
　オンライン診療の医学管理料等についても、同水準で点数設定する考えが示されており、今回資料で整理している。例えば、「特定疾患療養管理料」の100床未満の病院の場合は、対面診療の147点に対しオンライン診療は128点、「腎代替療法指導管理料」は同500点に対し同435点となった。いずれも約87％の水準となっている。