全日病ニュース

全日病ニュース

ホーム全日病ニュース(2022年)第1008回/2022年5月1日号ポリファーマシー対策に関するモデル事業で最終報告

ポリファーマシー対策に関するモデル事業で最終報告

ポリファーマシー対策に関するモデル事業で最終報告

【厚労省・高齢者医薬品適正使用検討会】業務手順書自体の有用性・有効性を確認

 厚生労働省の高齢者医薬品適正使用検討会(印南一路座長)は4月13日、ポリファーマシー対策に関するモデル事業の最終報告を受けた。今年度からの地域における活用開始に向け、業務手順書等の実用性と課題を確認した。
 モデル事業は、藤田医科大学病院(愛知県)、国立がん研究センター中央病院(東京都)、三豊総合病院(香川県)の3つの医療機関で行われた。報告によると、3医療機関とも業務手順書自体の有用性・有効性が高かったことが確認できた。
 特に、三豊総合病院では、入院中にポリファーマシー対策が実施された62件のうち、57件が退院後にかかりつけ医を受診した場合も継続されており、継続率は事業実施前の62.5% から91.6%と大幅に増加した。
 今後の課題として、◇対策チームが作れない場合の手引きが必要◇減薬の継続率や転倒等の発生割合などのアウトカムや結果報告を記載すべき◇カンファレンスでの対応と病棟での対応の区別化◇医師に対する説明資料や、地域の医師会・薬剤師会・個別開業医への働きかけの工夫―の4点をあげた。
 アウトカムに関して、全日病副会長の美原盤委員は、「無駄がなくなった、何も起きなかったという点は重要」と述べ、減薬により病状が悪化していないことをアウトカムとして示すべきと強調した。
 一方で、「いずれも地域の中核病院の事例で、そのまま中小病院に当てはめるのは厳しい。マンパワーやストラクチャーの十分な体制がない病院でどこまでできるかという事例が紹介されると、ポリファーマシー対策が地域でより広まると思う」と述べた。

 

全日病ニュース2022年5月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 実際の審査を想定してシミュレーションを実施|第972回/2020年 ...

    2020/10/01 ... 実際の審査を想定してシミュレーションを実施|第972回/2020年10月1日号 HTML版。21世紀の医療を考える「全日病ニュース」は、全日本病院協会が毎月1 ...

  • [2] 2020.10.1 No.972

    2020/10/01 ... 新型コロナウイルス感染症患者を受け. 入れる医療機関での医療資器材等の整. 備を支援する「入院医療機関設備整備事. 業」で交付実績があるのは岐阜で34件 ...

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。