全日病ニュース
かかりつけ医機能のあり方をめぐり議論を行う
かかりつけ医機能のあり方をめぐり議論を行う
【厚労省・医療計画等検討会】個々の医師や医療機関ではなく体制で整備すべき
厚生労働省の第8次医療計画等に関する検討会(遠藤久夫座長)は7月20日、第8次医療計画の策定に向け、5疾病・5事業の検討状況の報告を受けるとともに、外来医療提供体制との関連で、かかりつけ医機能を議題とした。
かかりつけ医機能については、骨太方針2022に「かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行う」と明記されたことを踏まえ、議論が行われた。
全日病副会長の織田正道委員は、「開業医は臓器別専門医が多く、かかりつけ医全員に総合的な診療能力を求めても、無理がある。医師会や病院団体の総合医の研修プログラムを積極的に利用すべきだ。かかりつけ医機能を発揮できる体制を、地域として確保することが一番重要となる」と述べた。また、そのためには、オンライン診療を始め、医療DXを推進することが不可欠であることを強調した。
全日病会長(日本医師会副会長)の猪口雄二委員は、コロナ禍を踏まえた課題として、かかりつけ医が取り上げられたことに対し違和感を示した。
「かかりつけ医は、日常の相談や学校保健、産業保健、健診事業といった社会的な機能など平時の医療を担う。しかし、コロナ禍は平時でなく有事である。果たして平時と有事は同じでよいのか。むしろ、有事では、個々の医療機関というよりも、各医療機関が連携し、体制として対応を整備することが重要になる」と主張した。
一方、5疾病・5事業の検討状況は、健康局の担当課が説明した。
がんについては、がん診療連携拠点病院の要件見直しを進めるほか、空白の二次医療機関の解消のため、がんの医療圏の再検討が促された。脳卒中および心筋梗塞等の心血管疾患については、循環器病対策推進基本計画の見直しを進める。
糖尿病については、指標の見直しを行うとともに、健康日本21や医療費適正化計画との連携を図る。精神疾患については、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」が昨年まとめた報告書で、精神障害にも対応した地域包括ケアの理念が示された。
委員からは、医療計画に記載する各疾病の指標やロジックモデルの統一に関する要望、がんにとどまらず5疾病全体で、空白の医療圏があることに関する調査への要望があがった。
全日病ニュース2022年8月1日号 HTML版
[1] 2022.6.15 No.1011
2022/06/15 ...(2)2022年(令和4年)6月15日(水). 全日病ニュース. 厚生労働省の第8次医療計画等に関. する検討会(遠藤久夫座長)は5月25.
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。