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ホーム全日病ニュース(2022年)第1023回/2022年12月15日号薬価の市場実勢価格との平均乖離率は7.0%

薬価の市場実勢価格との平均乖離率は7.0%

薬価の市場実勢価格との平均乖離率は7.0%

【中医協・薬価専門部会】対前年比で0.6ポイント縮小

 厚生労働省は12月2日の中医協・薬価専門部会(中村洋部会長)に、2022年薬価調査の結果を報告した。平均乖離率は7.0%で2021年調査から0.6ポイント縮小した。妥結率は94.1%で2021年と同率。回収率は87.6%。薬価調査の結果を踏まえ、診療報酬改定の中間年である2023年度薬価改定に向けた議論が本格化する。
 平均乖離率とは、公定価格である薬価と実際に市場で取引された市場実勢価格との乖離であり、薬価改定では、市場実勢価格に応じて、薬価を引き下げることになっている。薬価調査では、一定の割合で抽出した医薬品卸売販売業者の販売価格と医療機関・薬局の購入価格を調べた。2022年中の1か月を調査対象期間とした。
 投与形態別の平均乖離率は、内用薬が8.2%、注射薬が5.0%、外用薬が8.0%、歯科用薬剤が▲4.3%。主要薬効群別にみると、内用薬では消化性潰瘍用剤(11.3%)、血圧降下剤(同)、高脂血症用剤(12.7%)の乖離幅が大きい。逆に、「その他の腫瘍用薬」(4.2%)、漢方製剤(3.7%)の乖離幅が小さい。注射薬では、「その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)」(7.2%)の乖離幅が大きく、「血液製剤類」(2.2%)の乖離幅が小さい。外用薬では、「眼科用剤」(8.7%)、「鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤」(9.1%)、「その他呼吸器官用薬」(7.2%)のいずれも平均乖離率を上回っている。
 2019年に消費税引上げに伴う薬価改定があり、薬価改定は2018年度から毎年実施されている。改定の前年の薬価調査による平均乖離率は、2017年が9.1%、2018年が7.2%、2019年が8.0%、2020年が8.0%、2021年が7.6%。毎年改定になってから、平均乖離率が大きく縮小したという状況ではない。
 後発医薬品の数量シェアは約79.0%で、後発品の供給不安の影響が懸念されたが、2021年度と同率だった。ただ、2020年度は78.3%であり、数量シェアの上昇が止まった状況ともいえる。

 

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