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ホーム全日病ニュース(2022年)第1023回/2022年12月15日号医師が常駐しない公民館等でのオンライン診療を可能に

医師が常駐しない公民館等でのオンライン診療を可能に

医師が常駐しない公民館等でのオンライン診療を可能に

【社保審・医療部会】へき地などにおける緩和策

 厚生労働省の社会保障審議会・医療部会(永井良三部会長)は12月5日、身近な場所におけるオンライン診療を議題とし、へき地であれば、公民館等の身近な場所に、オンライン診療のための医師が常駐しない診療所を開設できるようにすることを了承した。
 政府の規制改革実施計画により、デジタルデバイスに明るくない高齢者などの医療を確保する観点から、「通所介護事業所や公民館等の身近な場所での受診」を可能とすることの検討について、2022年度中に結論を得ることが、厚労省に求められていた。
 厚労省は、公民館等に「通所介護事業所」も含まれるとの考えも示した。
 全日病副会長の神野正博委員は、「医療資源が乏しく、人口が減少した地域においてオンライン診療が重要になる。へき地等でのオンライン診療の緩和に賛同する。ただ、病態が急変し、救急搬送が必要になった場合に、その対応をする医師にオンライン診療の情報が伝わるかということが極めて重要で、情報共有の基盤をいかに整えるかが基本の『き』になる。そこをきちんと動かすために、どんな基盤を整えるのか。PHR で患者に情報を渡しておくべきなのか、などさまざまなやり方があると思う。単に便利だからということで、規制を緩めてはいけない」と注意を促した。
 一方、現行制度では、へき地等において定期的に反復継続(概ね週2回以上)して行われない場合、または一定の地点において継続(概ね週3日以上)して行われない場合は、診療所の開設許可を得ずに、巡回診療を行うことが可能となっている。このため、上記のような頻度の場合、巡回診療の実施計画を届け出れば、診療所の開設は不要とした。
 また、地域ごとのへき地医療対策は、都道府県が主導しているため、公民館や郵便局など医師常駐が不要の診療所をどこに設置するかについては、都道府県の関与を求めることとしている。
 医療法人制度については、「持ち分あり」の医療法人が「持ち分なし」に移行する場合に、相続税などの納税猶予を受けることのできる「認定医療法人制度」について、2023年9月30日までとしていた措置を延長するとともに、認定から「3年以内」の移行期限を「5年以内」に改正することを了承した。

 

全日病ニュース2022年12月15日号 HTML版

 

 

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