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ホーム全日病ニュース(2023年)第1026回/2023年2月15日号新型コロナの感染症法上の取扱いを「5類」に

新型コロナの感染症法上の取扱いを「5類」に

新型コロナの感染症法上の取扱いを「5類」に

【コロナ対策本部】診療報酬の特例措置や補助金は段階的に見直し

 岸田文雄総理大臣は1月27日の政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で、新型コロナの感染症法上の位置づけを「新型インフルエンザ等感染症」から5類感染症に変更することを発表した。医療体制の移行や自治体などによる準備に3か月程度かかることから、5月8日を変更日とする。外来・入院に関する診療報酬上の特例措置や病床確保料の取扱いなど各種措置は段階的に見直す道筋を検討するとした。
 オミクロン株とは大きく病原性が異なる変異株が出現するなどの特段の事情がない限り、5月8日から5類感染症に位置づける。変更前に改めて、厚生科学審議会感染症部会の意見を聴いた上で、最終確認して実施する。オミクロン株とは大きく病原性が異なる変異株が出現するなど、科学的な前提が異なる状況になれば、対応を見直す。
 感染症法上の位置づけの変更に伴い新型コロナ対応の医療提供体制も段階的に変更する。
 入院については、入院措置・勧告が適用されないことになる。幅広い医療機関が、新型コロナの入院患者を受け入れ、入院調整も行政が関与するものから、個々の医療機関の間で調整する体制へと段階的に移行していく。
 外来についても、幅広い医療機関が新型コロナ患者の診療に対応する体制へと移行していく。
 このため、今後、診療・検査医療機関から広く一般的な医療機関による対応への移行を図る。それに伴い、「外来や入院に関する診療報酬上の特例措置や病床確保料の取扱い、重症者等に対する入院調整のあり方、高齢者施設等への検査・医療支援など各種対策・措置の段階的見直し」の具体的な内容の検討・調整を進めるとしている。
 患者の自己負担は、急激な負担増が生じないよう、「入院・外来の医療費の自己負担分にかかる一定の公費負担について、期限を区切って継続」する。
 医療提供体制や医療費の自己負担分の取扱いは、3月上旬をめどに具体的な方針を示すとしている。
 感染対策としてのマスクは、「屋内では基本的にマスクの着用を推奨する」としている現在の取扱いを改め、「行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本」として検討する。検討の際には、子どもの発育・発達の妨げにならないよう配慮が必要であることに留意する。
 ワクチンについては、感染症法上の位置づけの変更にかかわらず予防接種法に基づいて実施する。4月以降も、必要な接種については引続き、自己負担なく受けられるようにする。
 水際対策は、検疫法上の「検疫感染症」から外れる。サーベイランスは、感染症法に基づく発生届を終了し、定点医療機関による感染動向把握に移行する。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定に基づき、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は廃止される。都道府県対策本部も廃止される。ただ、政府対策本部の廃止後においても、必要に応じて新型インフルエンザ等対策閣僚会議を開催する。
 あわせて特措法に基づき実施している住民や事業者などへの感染対策に関する協力要請などの各種措置は終了する。臨時の医療施設の取扱いについては、今後検討し具体的方針を示す。

 

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