全日病ニュース

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日本医師会の医療政策を解説

続報・全日本病院学会 in 広島
日本医師会の医療政策を解説

【特別講演1】感染症対応への協力求める


松本氏

 特別講演1として、日本医師会の松本吉郎会長が「日本医師会の医療政策~次世代に向けて~」をテーマに講演した。
 松本会長は冒頭で、「猪口先生には私の片腕としていつも支えていただいている」と全日病の猪口会長への感謝の言葉を口にした。
 その後、現時点における医療政策の課題を解説。感染症法等の改正については、2024年9月までの協定の締結を目指して都道府県から今後、コロナ対応を行った医療機関を中心に、協議の要請がなされる場合があるとした。感染症法上、協議の要請がなされた場合に、医療機関には協議に応じる義務はあるが、協定締結を強制される仕組みではないことを説明した。
 「協定締結は強制される仕組みではない。病院のキャパシティや人員状況、役割分担、地域の状況を検討した上でになるが、医療機関にはできる限り協定を結び、今後、新興感染症が出てきたときに対応していくことが求められている。これが私たち医療機関の役割である。強制ではないが、しっかりこの仕組みに入っていくことが重要だ」と述べた。
 2023年度補正予算に向けては、新規対応として、入院患者・入所者への食事療養等に対する補助金を政府に要望したことを報告。武見敬三厚生労働相からは「しっかり対応したい」との回答を得ていると述べた。
 光熱費等の物価高騰に対する交付金の継続も要望しているとして、「秋の経済対策のなかで予算を確保していただけるように、お願いしている」とした。
 松本会長は、「本来そのような部分は、診療報酬で対応してもらいたい。従来の診療報酬改定では、高齢者の増加分しか予算の伸びを認めないという形でシーリングがかかっていたが、賃金上昇と物価高騰に関する部分は「従来の改定」での対応とは別枠で対応してもらえるように要望している」と述べた。
 新型コロナウイルス感染症への対応においては、これまでの予算の確保分を協定締結医療機関の体制整備や電子カルテ等の医療DXの活用に充てるよう求めていくとした。

 

全日病ニュース2023年11月15日号 HTML版

 

 

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