全日病ニュース

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診療側、初再診料の引上が必要との認識を示す

診療側、初再診料の引上が必要との認識を示す

【中医協総会】
2016年度改定に向け「外来医療」で1回目の議論

 4月8日に開催された中医協総会は、2016年度診療報酬改定に向けたテーマとして「外来医療」を取り上げ、1回目の議論を行なった(4面に関連記事)。
 議論の参考として提示された資料の解説において、事務局(厚労省保険局医療課)は、(1)大病院の紹介率・逆紹介率を高める取り組みをさらに推進する必要、(2)重複受診と重複投薬を減少させる取り組みを強化する必要、(3)残薬の発生を抑制する新たな取り組みを検討する必要、(4)主治医機能を評価する地域包括診療料・地域包括診療加算の届出施設を増やしていく必要を示唆、今後の外来議論の柱としていく方向性を示した。
 一方、診療側を代表して鈴木委員(日医常任理事)は、大病院の紹介率・逆紹介率を高める取り組みをさらに進めることに賛同するとともに、重複投薬や残薬については処方医と薬局等薬剤師との連携を、さらに、残薬対策として長期処方の制限を提唱。
 一方、前改定で新設された地域包括診療料と同加算に関しては、「かかりつけ医機能の評価については、わが国の医療提供体制を大きく変える可能性もある」との認識を表わし、「検証調査の結果をみながら、じっくりと考えるべきである」と述べた。
 他方で、初・再診料、外来診療料に関しては「コスト上昇に対応するためにはさらなる充実が必要である」と、引上げを求める考えを表明した。
 次期改定課題のうち、大病院の外来にかかわる取り組みに関しては、通常国会に提出された「国民健康保険法等の一部改正法案」に「紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入」があるため、中医協は、同法案成立後に、「定額負担の導入」を踏まえた診療報酬上の新たな措置について議論することになる。