全日病ニュース

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「医療法人の収支が傾向的に下落している」

【WAMがレポート】

「医療法人の収支が傾向的に下落している」

 医療法人の収支状況は、人件費率の上昇等によって、医業収益に対する医業利益の割合(医業利益率)が2010年度から減少に転じ、13年度には3.1%と過去6年間で最低となるなど、厳しい状況にあることが判明した。
 福祉医療機構(WAM)が貸付先から得た財務諸表(2008年度~13年度)を用いて医療法人の経営状況を分析したもので、8月7日に分析結果を公表した。
 医業利益率の低下が続く要因として、福祉医療機構は、人件費率が10年度の54.2%から13年度には55.9%へと上昇、同様に労働分配率も同期間に91.5%から94.8%に上昇しているなど、年々増加する人件費が収支を悪化させていることをあげた。
 また、09年度を境に赤字法人の割合が拡大しており、その傾向は医業収益の規模が小さい法人ほど顕著であると指摘。
 さらに、黒字法人と比較して赤字法人は自己資本比率が低いだけでなく、借入金比率が高くなっている上、赤字法人の償還率(医業収益に占める長期借入金元金償還額の割合)も黒字法人と比較して高く、借入金に依存した経営状況に陥っているとも指摘。今後プラス改定が望めない医療費抑制下の医療法人経営に警鐘を鳴らした。