全日病ニュース

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2024年に約30万人で医師数が均衡

2024年に約30万人で医師数が均衡

【医師需給分科会】
神野副会長「現状追認の推計と感じる」

 厚労省は3月31日の医療従事者の需給に関する検討会の「医師需給分科会」(片峰茂座長)に、将来の医師数の需給推計の結果を報告した。医師数の供給と需要を一定の仮定をおいて試算。
 2024年頃に約30万人で需給が均衡し、その後は供給が需要を上回る様子が示された。ただ厚労省は推計結果を目標とはせず、今後の議論のたたき台と位置づけた。
 医師の供給数は、医学部定員増と東北医科薬科大学の医学部新設を含む2016年度の9,262人を基礎とした。女性・高齢・研修医は、30 ~ 50歳台の男性と比べ仕事量に違いがあるため、補正した。
 具体的には、中学生未満の子どもがいる場合は5割の仕事量と仮定するなどして、女性医師の仕事量を「0.8」と換算した。高齢医師も60歳以上の仕事量を「0.8」と換算。また、研修医の1年目は「0.3」、2年目は「0.5」にした。その結果、医師数は2025年に30万2,728人、2030年に31万4,873人となった。
 医師の需要推計については基本的に、◇必要な医療サービスは現状で概ね提供できていることを前提。ただし最近の傾向をふまえ労働時間は将来減少すると仮定◇地域医療構想と同様の手法で医療機能別病床数を推計◇外来と精神病床等は別途推計◇供給推計と同様に女性医師などの仕事量を考慮─した。入院医療に従事する医師数は、病床機能報告制度を用いて、慢性期を「1」とした比率で、高度急性期は「4.8」、急性期は「2.7」、回復期は「1.5」と仮定。臨床に従事する医師の労働時間は、高度急性期・急性期で週当たり平均56.6時間が51.1時間まで減ると推定した(中位推計)。必要医師数が増えるため、必要医師数としては1.11倍になる。
 これらの仮定をおいて医師の需要を推計した結果、中位推計の場合で2025年の必要医師数は29万9,300人(入院18万2,100人、外来9万4,500人、精神病床7,400人、介護老人保健施設3,800人、臨床以外1万1,600人)となった(下位~上位推計の幅では下表を参考)。
 全日病副会長の神野正博委員は、「全体として現状追認だと感じる。あるべき医療、あるべき環境を念頭におくべき」と述べた。

全日病ニュース2016年4月15日号 HTML版

 

 

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  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2015年2月15日号)

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  • [3] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年3月15日号)

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