全日病ニュース
医療経済実態調査の実施「必要なし」
【中医協消費税分科会】
医療機関の消費税負担の対応を議論
医療経済実態調査の実施「必要なし」
厚労省は3月30日、中医協の診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会(田中滋分科会長)を開き、来年4月予定の消費税引上げへの対応を議論。医療機関の消費税の取扱いがどうなるとしても、「医療経済実態調査」を改めて実施する必要はないと判断した。薬価調査等の実施に対しては賛否両論があった。
中医協総会に報告する。
消費税に関しては、引上げの再延期も視野に政府が検討している状況。予定どおり来年4月に10%に引き上げる場合には、8%引上げ時に対応した2014年度診療報酬改定と同様に、控除対象外消費税への対応が必要となる。
厚労省はそのための基礎データとなる「医療経済実態調査」、「薬価調査、特定保険医療材料価格調査」、「医療機関等の設備投資に関する調査」の実施の是非を論点とした。
2014年度改定では医療経済実態調査に基づき、医療機関の経費の中で、消費税を負担する部分の割合を算出し、3%引上げ相当分について、基本診療料を中心に補てんした。同日の分科会では、調査に伴う医療機関の負担なども勘案し、課税経費率などを改めて把握する必要性は低いとの意見が大勢だった。
薬価調査等については、2016年度改定後の薬価引下げ分を反映させないと、「国民・患者の負担が増える」として支払側が調査の実施を求めた。しかし医薬品卸売業者側の委員は「微妙なタイミングで少し厳しい」と難色を示した。
調査の実施の是非は分科会の報告を受けた総会が決定する。
医療機関等の設備投資に関する調査については、前回調査で回答の回収率が1~2割と低く、信頼性に疑問を呈する意見が出たが、「医療機関の設備投資のばらつきは必然的に生じるので、回収率を上げれば平準化し、解決する問題ではない」との指摘があった。全日病会長の西澤寛俊委員は「前回の調査結果を分科会でもう一度提出・説明し、新たに調査をする必要はない」と発言した。
入院基本料別の補てん状況示される
厚労省は同日の分科会に、2014年度改定時の消費税8%への引上げに伴う診療報酬への補てんについて、入院基本料別の状況を示した。全体の補てん率は99.21%であるのに対し、7対1で101.65%、10対1で89.48%、13対1で94.64%、15対1で95.50%だった。
7対1が100%を上回ったのに対し10対1は大きく下回っている。
補てん率は、病院の収入としての診療報酬項目に上乗せした補てん分を、費用としての仕入れ時に支払う消費税の3%分相当額で割ったもの。収入の補てんが費用の負担額に見合っているかを示す。ただ西澤委員は、入院基本料別の集計では実態把握に不十分だとして、補てん率に応じて病院がどのように分布しているかを集計するよう要請した。
厚労省は2014年度改定で補てんした診療報酬項目で、2016年度診療報酬改定で見直した項目も例示した。例えば、歯科訪問診療料は2014年度改定で3点上乗せし、143点となったが、2016年度改定で120点に下がった。これらが初めて提示された資料であったため、西澤委員は、「中医協総会に当然出すべき資料」と指摘。診療報酬に対する補てんの状況を「見える化」する観点から、「ほかの項目もすべて示してほしい」と要請した。
全日病ニュース2016年4月15日号 HTML版
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http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20130701/news05.html
2013年7月1日 ... 高額投資の別建補填方式は見送る。8%時には上乗せで対応|第804回/2013年7月
1日号 HTML版。21世紀の医療 ... 中医協・診療報酬調査専門組織の「医療機関等
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は「医療機関等の設備投資に関する調査」の結果が報告された(別掲)。[2] 「基本診療料を中心に個別項目へ上乗せ」が基本|第808回/2013年9 ...
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2013年9月1日 ... 中間整理案」は、8%となった場合の医療機関における控除対象外消費税を補填する
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機関等における消費税負担に関する分科会」議論の中間整理案(要旨).[3] 第776回/2012年4月15日号
http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2012/120415.pdf
報酬で手当てするとともに、新たに「高額設備投資」部分も区分して手当てするという ...
10%は高額な設備投資と診療報酬で対 .... 中医協総会. 「慢性期分科会で医療提供
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