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震災乗り越え、熊本学会を開催。約3,200人参加、演題は576に

震災乗り越え、熊本学会を開催。約3,200人参加、演題は576に

【第58 回 全日本病院学会in 熊本】
災害時における医療機関の役割を確認

 「第58回全日本病院学会 in 熊本」(山田一隆学会長)が10月8日・9日、熊本県支部の担当で、「地域医療大改革~豊かな未来への取り組みをくまもとから~」をテーマに熊本市で開催された。4月に起きた熊本地震を乗り越えて学会の開催を決めた熊本県支部に対し、全日病は組織をあげて支援。発表演題数は576にのぼり、全国の会員病院をはじめ、約3,200人が参加した。各会場は立ち見が出るほどの盛況で、熊本学会は大きな成功を収めた。

 開会式には、来賓として、神田裕二厚生労働省医政局長、横倉義武日本医師会長、蒲島郁夫熊本県知事、植松浩二熊本市副市長、福田稠熊本県医師会長ほかが列席、それぞれ祝辞を述べた。
 開会の挨拶をした山田学会長は、「今年は地域医療構想策定の年であり、医療改革は重要な時期を迎える」と述べて「地域医療大改革」をテーマに選んだ理由を説明。さらに医療事故調査制度や在宅医療、認知症への対応、療養病床や地域包括ケア病棟の今後のあり方など重要課題が山積しているとし、「地域医療の厳しい状況と課題を考慮しつつ、深く討論していただきたい」と呼びかけた。
 また、4月の熊本地震では、県内の医療機関が連携し、地域医療を確保したことを報告。熊本復興に向けて地域の病院の重要性が確認されたとして、「災害時の医療提供について討論してほしい」と要請した。
一致団結して熊本学会を支援
 続いて挨拶した西澤寬俊会長は、熊本地震で犠牲になられた方々に哀悼の意を表すとともに、被災された皆様にお見舞いの言葉を述べた。また、震災後の困難を乗り越えて学会を開催した熊本県支部の関係者に対し感謝の意を表した。
 西澤会長は、全国の会員から寄せられた支援が学会開催の大きな力となったと強調。「一致団結して力を発揮できることが我々全日病の誇りだ」と述べるとともに、「復興にかける熊本県支部の力をいただき、これからの改革に向かっていきたい。この学会が大きな契機になる」と述べた。
 来賓として挨拶した厚労省の神田医政局長は、熊本地震の際の医療確保の努力に謝意を述べるとともに、被災地の医療ニーズにきめ細かく対応するため来年度に災害医療コーディネーターの養成に取り組む考えを示した。
 日本医師会の横倉会長は、震災後の苦労の中で学会を開催した関係者の努力に敬意を表すとともに、「東日本大震災の経験が熊本地震で役に立ったのか、どんな反省点があるのか、議論を楽しみにしている」と述べて、学会での討論に期待を表明。「貴重な研修の機会である全日病学会を成功させてほしい」と述べた。
 開会式に続いて横倉会長と神田局長による特別講演が行われた後、各会場にわかれて、シンポジウムや演題発表が行われた。
 会場となった熊本市民会館と熊本市国際交流会館、熊本ホテルキャッスルでは、医療改革の最新情報や先進的な取組み事例を知ろうとする熱心な参加者があふれ、いずれの会場も盛況だった。
(熊本学会の報告は11月1日号、15日号、12月1日号に掲載します)

全日病ニュース2016年10月15日号 HTML版

 

 

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