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今夏に全国保健医療情報ネットワークの工程表を示す

【厚労省・医療等分野情報連携基盤検討会】ネットワーク基盤の議論を再開

　厚生労働省の「医療等分野情報連携基盤検討会」の初会合が３月29日に開かれ、医療分野における情報ネットワークに関する具体的な検討に着手した。「全国保健医療情報ネットワーク」の構築や情報処理システムにかかわる識別子（ID）に関する具体的な議論を進める。座長には、森田朗構成員（津田塾大学教授）が選出された。
　厚労省は、データヘルス改革における医療等分野情報連携基盤に関する検討の経緯・現状や課題について説明するとともに、検討会の下に「医療等分野情報連携基盤技術ワーキンググループ」と「医療等分野ネットワーク安全管理ワーキンググループ」を設置して具体的な議論を進める考えを示した。情報連携基盤技術のワーキンググループは、概ね月１回開催して、この夏をめどに、「全国保健医療情報ネットワーク」構築に向けた工程表をまとめるほか、医療等分野ID の考え方を整理することを提案し、了承を得た。
　この日の検討会には、「全国保健医療情報ネットワーク」や識別子（ID）に関する検討課題が示された。保健医療情報ネットワークでは、◇ネットワークで提供するサービス内容◇管理・運営主体◇ネットワーク整備のコストとその負担者などが論点となる。ID については、◇オンライン資格確認における活用◇ ID の発行・管理主体◇発行・管理コストなどがある。
　データプラットフォームを構築
　ビッグデータの分析を医療の効率化につなげていく「データヘルス改革」を提唱してきた厚労省は、ナショナルデータベース（特定健診・レセプトおよび介護保険総合データベース等）や国保データベース等のデータ連結とその利活用を実現し、「健康・医療・介護の総合的な保健医療データプラットフォーム」構築を目指している。
　こうした方針は昨年６月の「未来投資戦略2017」や12月の「新しい経済政策パッケージ」に盛り込まれている。「全国保健医療情報ネットワーク」については、2020年度の本格稼働に向けて具体的なシステム構成等を検討し、2018年度以降に詳細な設計に着手。今夏をめどに工程表を示すとしている。
　また、医療等ID の導入については、2020年度からの本格運用を目指して2018年度夏をめどに情報連携の識別子（ID）のあり方に関する結論を示す方針が示されている。
　このため厚労省は、医療情報連携の基盤整備を迅速に進めることが求められており、今夏に一定の結論を得て、本格稼働に向けた準備予算を2019年度の概算要求に反映させる考えだ。