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NDBオープンデータの集計を二次医療圏単位に

NDBオープンデータの集計を二次医療圏単位に

【厚労省・有識者会議】利用者からの要望に一定程度対応

 厚生労働省の「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」(山本隆一座長)は6月14日、第4回のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)オープンデータの作成に向けて議論した。現行は都道府県単位で集計しているが、限定的に2次医療圏単位での集計を行う方向になった。また、NDBの第三者提供の現状や、東京大学と京都大学に設けたオンラインリサーチセンターの利用状況の報告を受けた。
 NDBは国民の医療・健康情報の集積であり、医療費適正化計画など利用目的を限定している。研究利用などで第三者提供を行う場合は、厳しいセキュリティ要件を課し、データを提供している。一方、データの有益性から、多くの人が利用できるよう汎用性の高い基礎的な集計表も、NDBオープンデータとして作成。厚労省のホームページで公開している。

 第4回オープンデータは来年4月
 第4回のNDBオープンデータは、来年4月の公表に向け、作業を進めている。今回のデータ作成に当たって寄せられた要望事項について、対応の方向を検討した。NDBオープンデータの集計では、「都道府県別」、「性・年齢階級別」などがある。集計単位が細かくなると、匿名であっても特定されるリスクがあり、10未満となる集計は記載しないなどの規定がある。
 今回、「二次医療圏単位での集計」を求める要望があった。これに対し厚労省は、◇都道府県別から二次医療圏別にすると集計値が約7倍になる◇集計区分が細かくなり、最小集計単位未満になる項目が増える─などの問題点を指摘した。その上で、「集計対象項目を少数に限定し、二次医療圏別の集計を試行。結果に基づき、今後の対応を検討する」とし、有識者の会議の了解を得た。
 要望事項としてはそのほか、「レセプト病名の集計」、「透析患者数の集計」などがあった。「レセプト病名の集計」については、「疑い」病名の取扱いなど妥当性の問題があり、相応の検証が必要で、厚労科学技術研究の検討結果を待つこととした。「透析患者数の集計」については、「名寄せの作業負荷が高く、対応は困難」とした。
 第三者提供の現状では、2011年度の開始から2017年度までの実績で、229件の申出に対し178件を承諾し、提供している。2011年度の6件から2017年度は41件に増え、右肩上がりの提供件数となっている。山本座長は「着実に件数が伸びている」と評価した。
 東京大学と京都大学には、高いセキュリティ空間で、機微な医療情報を取り扱うことのできるオンラインリサーチセンターが設置されている。両大学から運用状況の報告を受けた。
 東大からは、効率的なセンター運用のために、解析結果を取り出すための手続きを明確化するとともに、資金の援助、学外を含めた新規利用者を追加する運用規定見直しなどが必要との指摘があった。京大からは、現状のセンターの機能では解析に限界があり、新たな手段の開発や人材の充実が必要との指摘があった。

 

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  • [1] 医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律等 ...

    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2018/180604_3.pdf

    2018年5月31日 ... 剤報酬明細書(レセプト)等のインプットに関するデータが基本であり、診療行為の実施.
    結果(アウトカム)に関する ..... 基幹業務系と情報系システムの分離、基幹業務系
    システムのインターネット等オープンネットワークからの分離 ...... れている「保健医療
    データプラットフォーム」は、レセプト・特定健診情報のNDB. (National ...... 集計して得
    られるデータであり、集団の傾向又は性質などを数量的に把握するものである。 ..... →
    ①複数の病名や詳細な検査値等をすべて組み合わせると特異であると判断される.

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