全日病ニュース

麻しん・風しん予防指針の改正を了承

【厚生科学審議会・感染症部会】新型インフルエンザ対策も議論

　厚生科学審議会の感染症部会（倉根一郎部会長）は６月15日、麻しんおよび風しんに関する特定感染症予防指針の改正について了承した。厚生労働省は、２つの感染症の予防接種ガイドラインや手引きの作成に反映させる考えだ。
　改正では、定期予防接種率向上の対策の強化のため、麻しん指針・風しん指針で、接種率を95％以上とするよう、国と都道府県が市町村に働きかける。児童福祉施設や医療機関の従事者は、０歳児や予防接種の実施が困難な人に接する機会が多いため、強く予防接種を推奨する。
　そのほか、感染症部会では、新型インフルエンザ対策について議論し、世界的大流行の前に予防的に使用するプレパンデミックワクチンの備蓄用ワクチン株を、鳥インフルエンザウイルスのＨ７Ｎ９株とすることを了承した。
　2017年度まではチンハイ株を備蓄しているが、2019年度中にこのうちの900万人分のワクチンの有効期限が切れる。
　Ｈ７Ｎ９株は重症度が高く、中国で人への感染が確認されている。中国と日本との往来が多いため、ウイルスの亜型のなかで最も危機管理上の重要性が高いと判断した。2018年度末までに国内のワクチンメーカーは、細胞培養法での製造体制を整備する見込みとなっている。