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根本厚労相を本部長に部局横断的な改革案を策定

根本厚労相を本部長に部局横断的な改革案を策定

【厚労省・社会保障・働き方改革本部】医療・福祉サービス改革で生産性向上

 厚生労働省は10月22日、2040年を展望した社会保障・働き方改革本部を設置した。本部長は根本匠厚生労働大臣、その他幹部を本部員とする体制。プロジェクトチームでの検討をもとに、社会保障の改革案を策定する。プロジェクトリーダーには、藤澤勝博・政策統括官を置いた。プロジェクトチームは4つのタスクフォース(TF)で構成している。
 安倍首相は、全世代型社会保障改革の推進について、未来投資会議を中心に、茂木敏充内閣府特命担当大臣が主導する方針を10月5日の経済財政諮問会議で示した。根本厚労相は、10月23日の閣議後会見で、「改革本部を立ち上げ、省一丸となって、取組みを進める」と未来投資会議に報告したことを伝えた。来年夏を目指し、健康寿命延伸や医療・福祉サービス改革のプラン策定を進める方針も示した。
 社会保障・働き方改革本部が目指す社会保障改革は、2040年を見通し、現役世代(担い手)の減少を最大の課題とした。一方、「若返り」も見られる高齢者の就業増加も見込む。
 今後、国民誰もがより長く、元気に活躍できるよう、①多様な就労・社会参加の環境整備や②健康寿命の延伸を進めるとともに、③医療・福祉サービス改革による生産性の向上を図る。
 また、④給付と負担の見直し等による社会保障の持続可能性の確保を進めることも重要な課題だ。
 このような改革を実現するため、部局横断的な政策課題については、従来の所掌にとらわれることなく、取り組むため、プロジェクトチームに4つのTF を置いた。
 TF には、「健康寿命延伸タスクフォース」(疾病予防・介護予防に関する施策等)(主査=吉永和生審議官・健康局)、「医療福祉サービス改革タスクフォース」(ロボット、AI、ICT の実用化等)(主査=諏訪園健司審議官・老健局)、「高齢者雇用タスクフォース」(高齢者の雇用就業機会の確保等)(主査=北條憲一部長・雇用開発)、「地域共生タスクフォース」(縦割りを超えた地域での包括的な支援体制の整備等)(主査=伊原和人審議官・政策統括官)がある。
 特に、「医療・福祉サービス改革TF」の生産性向上策が注目される。具体的には、「ロボット・AI・ICT 等の実用化、データヘルス改革」、「タスクシフティングを担う人材の育成、シニア人材の活用推進」、「組織マネジメント改革」、「経営の大規模化・協働化」が論点にあがる。「経営の大規模化・協働化」では、医療法人と社会福祉法人の経営統合をテーマの一つとしている。

 

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