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介護人材の処遇改善で事業所内の傾斜配分を設定

介護人材の処遇改善で事業所内の傾斜配分を設定

【厚労省・介護給付費分科会】柔軟な運用を可能とする

 社会保障審議会・介護給付費分科会(田中滋分科会長)は10月31日、来年10月の消費税率10%までの引上げにあわせて行う、さらなる介護人材の処遇改善で導入する新たな加算について意見交換を行った。
 厚生労働省は、加算算定後の事業所内の配分で、経験・技能のある介護職員に手厚くするなど一定の傾斜をつけることを提案した。
 厚労省は、昨年12月に閣議決定された経済政策パッケージの内容やこれまでの委員の意見を整理。その上で今回の処遇改善の基本的な考え方として、「経験・技能のある介護職員に重点化しつつ、介護職員の処遇改善を行うこととし、その趣旨を損なわない程度において、その他の職種も一定程度処遇改善を行う」ことを提示した。
 その上で、◇経験・技能のある介護職員が多いサービスが高く評価されるように各サービスの加算率を設定すること、◇事業所内での配分について、①経験・技能のある介護職員②他の介護職員③その他の職種の順に一定の傾斜を設定することを提案した。
 事業所内の配分では、経験・技能のある職員について、勤続年数10年の介護福祉士を基本としつつ、一定程度の柔軟な運用を可能とすることも示した。
 加算の取得要件としては、介護現場として長く働き続けられる環境を目指す観点から、一定のキャリアパスや研修体制が構築されていることを求めることと、そうした具体的な取組みの「見える化」を促すことも提案した。
 意見交換では、事業所内の配分に傾斜を設定することに委員からは賛否が出た。また介護職以外の職種の処遇改善については、「本当に必要な職種に限るべき」という意見が出された。「介護職員のいない事業所まで加算の対象とするのは適当ではない」という指摘もあった。
 日本医師会の江澤和彦委員は加算の算定要件に言及。介護職の離職理由に、「職場の人間関係」や「結婚・出産・妊娠・育児」があることから、「そこに応えていく仕組みを考えなければいい結果が出ない」と指摘。職場環境の改善例として、職員の悩み相談窓口の設置や女性の働きやすい環境の整備をあげた。

 

全日病ニュース2018年11月15日号 HTML版

 

 

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