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医師の働き方改革、医師偏在対策、消費税増税など問題が山積

医師の働き方改革、医師偏在対策、消費税増税など問題が山積

【臨時総会】7月の参院選への協力を要請

 全日病は、3月30日に臨時総会を開催し、2019年度事業計画・予算、2018年度事業計画の一部変更・補正予算を報告するとともに、役員の選任および「外国人技能実習生受入れに係る事業」の名称変更に伴う定款変更を承認した。総会終了後には、支部長・副支部長会を開き、「医師の働き方改革」について特別講演が行われた(3面参照)。

消費税増税に伴う改定は早期に検証
 挨拶した猪口会長は、各地で進められている地域医療構想について「どういう形で決まっていくかわからない」としつつも、地域間の格差が大きいことを指摘し、様々な情報を集めて提供する考えを述べた。
 10月に実施予定の消費税増税に伴う診療報酬については「点数も決まり、前よりはよい形で動くと思う」と述べるとともに、病院経営への影響を把握するため、できるだけ早期に検証したいと述べた。
 医師の働き方改革は、3月28日に報告書が取りまとめられたことを報告。同日の支部長・副支部長会で厚生労働省担当官の説明を聞いてほしいと述べた。
 また、7月の参院選では、日本医師連盟が擁立する羽生田俊氏が全国比例区で立候補を予定しているほか、東京選挙区では武見敬三氏が出馬の予定であるとし、「我々の意見を通すためにもどれだけの票が集まるかが重要だ。選挙を乗り切るために応援しなければならない」と述べて、協力を呼びかけた。

医師の働き方改革に懸念
 続いて日本医師会の横倉義武会長が来賓として挨拶。地域の実情に応じた医療提供の形をつくることが重要として、「地域医療対策協議会に民間病院の代表が参加して地域の医療を考えてほしい」と述べた。
 その上で公立病院に多額の補助金が入っていることについて、「補助金を必要とする病院と一生懸命がんばっている民間病院では、どちらが地域で必要とされるかを主張していただきたい」と呼びかけた。
 医師の働き方改革については、「このままでは厳しい事態も予想される」と懸念を示した。原則960時間の時間外労働の規制に対し、地域医療を守る観点から1,860時間の特例水準の病院が認められるが、横倉会長は「労働時間の少ない病院に行きたいと考える医師が多くなると厳しくなる。悪循環に陥らないように調整することが大事」と述べた。
 横倉会長は、「診療報酬の財源を確保することが医師会長の仕事」として、そのためにも医師の代表がどれだけの得票数をとるかが重要であるとして、7月の参院選への協力を求めた。
 続いて自見はなこ・参議院議員が挨拶。3年前の当選から1年目で厚生労働委員会に所属し、現在同委員会の理事を務めていることは自身の得票数に対する配慮であるとして、得票数によって与党内のポジションが決まる事情を説明した。
 医師の働き方改革に関しては、3月28日に羽生田議員とともに根本厚労大臣に申入れを行ったことを報告。「まだまだ解決することがある」とし、タスクシフト・タスクシェアや兼業の問題について発言していく必要があると強調した。

病院が直面する課題が山積
 報告事項としては、織田正道副会長が2019年度事業計画と2018年度事業計画の一部変更、中村康彦副会長が2019年度予算、2018年度補正予算を説明した。
 織田副会長は、2019年度事業計画の前文を読み上げ、「2019年度は医師の働き方改革、医療法・医師法改正に基づく医師偏在対策、消費税増税など、病院が直面する諸問題が山積している」と指摘。2019年度の事業として、①病院経営定期調査の実施、②病院における総合診療医の育成と提言、③介護医療院への転換を目指す際の諸問題の検討および提言をあげるとともに、外国人材の受入事業を推進すると述べた。

第61回全日病学会は愛知で開催
 第61回全日本病院学会は9月28・29日に愛知県支部を中心に太田圭洋支部長を学会長として、名古屋国際会議場で開催する。また夏期研修会は、8月25日に福島県支部(土屋繁之支部長)で開催する。
 2018年度事業計画の一部変更では、教育・研修事業に「看護師の特定行為に係る指導者リーダー養成研修会」を追加したほか、「団体契約を通じた電話医療通訳の利用促進事業」を追加した。
 2019年度予算は、経常収益は約3,200万円減の約6億7,600万円、経常費用は同じく約3,200万円減の約6億7,600円を見込んでいる。2018年度補正予算では、経常収益および経常費用とも当初予算に対して約5,100万円の増額となり、約7億800万円となった。
 決議事項では、昨年10月に山本眞史理事が逝去されたことに伴い、社会医療法人蘇西厚生会松波総合病院の松波英寿理事長(岐阜県)を補充選任した。任期は6月の定時総会終了まで。また、「外国人技能実習生受入れに係る事業」の名称変更に伴う定款改正を了承した。
 議事の最後に会員から、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を普及させるため、診療報酬の加算の形で保険導入を求める意見があった。ACPについては地域包括ケア病棟入院料やターミナルケア加算の算定要件となっているが、診療報酬においてACPに関する明確な規定はない。猪口会長は、「ACPの考え方が確立してくれば、具体的に点数化できるのではないか」と述べ、引続き検討する考えを示した。

 

全日病ニュース2019年4月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2013年4月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2013/130401.pdf

    横倉義武日本医師会長と武見敬三参議. 院議員が出席、 .... この素晴らしいシステムを
    壊す改革 .... 非課税の下、医療機関は消費税の負担を強いられている ... つ喫緊の問題
    消費税増税である ... 5%に増税された。 ... よう税法の改正を関係機関に働きか .....
    分科会は、今後、3%の引き上げ分をすべて診療報酬で補填する方法を含め、具体的.

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