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ホーム全日病ニュース(2021年)第985回/2021年5月1日号第2回機能評価受審のための実地指導を受けて

第2回機能評価受審のための実地指導を受けて

第2回機能評価受審のための実地指導を受けて

島田寛之(医療法人春風会樫村病院 事務長)

 先般、第1回実地指導で、岩渕泰子先生に来院して頂き、懇切丁寧かつ具体性に富んだご指導を行って頂きました。職員一同、機能評価に向けて実感を掴んだ上で、2回目の実地指導に臨ませて頂きました。今回は、美原盤先生・岩渕泰子先生・中嶋照夫先生が来院され、病院全体の緊張が極限に達した状態で、実地指導は始まりました。
 私たちは第1領域と第4領域についてはアピールポイントも含めパワーポイントでプレゼン資料を準備し、サーベイヤーの方々に十二分に満足してお帰り頂こうと考えておりました。これが甘かったのでしょう。冒頭、中嶋先生より『進行はこちらでやりますので、質問に答える形でお願いします』と伝達され、陣地がいきなり逆転する思いがしました。パワーポイントでプレゼンするつもりでしたので、記憶も曖昧な中、先生方の質問が矢継ぎ早に襲い掛かってきました。完全に玉砕状態で簡単な質問にも、きちんと回答できず『自信を持って回答して下さい』と励まされる有様でした。昼休みになり顕著な疲労感だけが体の中に沈殿していました。
 午後は、診療・看護部門と事務部門に分かれての模擬審査でした。私は、事務部門として中嶋先生のご指導を受けましたが、午前中が酷い状況でしたので『どうなるのだろうか』と不安に駆られていたところ、中嶋先生がポツリと『私も機能評価を何回も受けていますが、途中から早く帰ってくれないかなと思う事もありますよ』と心遣いをして頂き、かなり気持ちが楽になりました。
 そして、いよいよ最後の講評となりました。結果は散々なものであろうと予測していましたが、先生方からは、『前に訪問した時より改善され、何より職員の意識が高まっている事が感じられました』『私達は色々細かい事を言いますが、これは一つの指標であり、皆さんから現実的な医療の状況をサーベイヤーに示して頂いてもよいのですよ』とのお言葉があり、胸を撫で下ろしました。職員一同慣れない作業で必死になって取り組んだ甲斐があったと心より感じたしだいです。
 機能評価は病院の現状を客観的に映す鏡です。そして一つの事に職員が一丸となって取り組む事で、連帯感が強まり、離職防止にも繋がります。所属する事を誇りに思える組織になる事、機能評価は間違いなくここに繋がって参ります。一度前向きになった組織は、日々研鑽を重ねる事が日常になります。
 今回の支援を受けて、機能評価受審は、患者様から常に評価され続け、その期待に応え続ける事を組織全体で考える様になるきっかけになると確信しました。

 

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