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特例のＣ-２水準の審査組織の運用方法などを確認

【厚労省・医師の働き方改革推進検討会】対象技能は三次医療圏単位の医療に限らない

　厚生労働省の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」（遠藤久夫座長）は３月23日、医師の時間外・休日労働の上限時間の特例の一つであるＣ-２水準の対象であるかを審査する審査組織の運用方法を確認した。また、厚労省から、医師の働き方改革に関する政省令等の状況や「勤務医に対する情報発信に関する作業部会の議論のまとめ」の報告を受けた。
　Ｃ-２水準は、医師免許取得後６年目以降の医師が、先進的な手術など高度な技能を取得するために、一定期間集中的に診療業務を行う場合を想定している。Ｃ-２水準の適用を希望する医師は計画書を作成し、指定された医療機関に申請。審査組織が審査を行った上で、認定される。
　そのような医療技術としては、「先進医療を含む医学的研究や医療技術の進歩により新たに登場した技術」だけでなく、「（日本専門医機構）の基本領域の専門医取得段階では、独立して実施できる等の高いレベルまで到達することが困難な技術」も含まれ得る。
　これを踏まえると、「高度に専門的な医療を三次医療圏単位またはより広い領域で提供する」という条件にあてはまらない医療技術を含む。このため、Ｃ-２水準の対象は、より小さな医療圏単位で医師育成を行うことが適当である対象技能も対象とし、三次医療圏単位に限定しないことを明確にした。
　Ｃ-２水準の適用の可否を判断する審査組織については、2021年度に準備に向けた委託事業を実施している。委託事業を通じて、以下のようなことを確認した。◇対象技能は個別性が高いため、網羅的に研修予定症例の基準を設定することは困難◇同一の技能であっても総研修期間は一律ではない◇対象技能の該当性は複数の専門家による審査を行うことで、透明性が担保できる─などが示された。
　なお、Ｃ-２水準の対象技能となり得る具体的な考え方は、改正医療法の施行後、審査組織による審査事例を重ねる中で、定期的に見直しを行っていくとしている。

政省令を公布し施行に向け準備
　医師の働き方改革に関する政省令等については、2022年１月19日に公布されている。医師の時間外・休日労働の法律が施行される2024年４月に向け、2022年４月１日には、医師の労働時間短縮等に関する指針や医療機関勤務環境評価センターに関する事項が施行された。医療機関勤務環境評価センターに関する事項では、センターの指定手続きや業務規程の内容、評価事項などが定められている。
　「勤務医に対する情報発信に関する作業部会における議論のまとめ」については、医師の働き方改革への行動変容を促す方策として、委員から、幅広い世代・診療科の医師・他業種・事務職員が参加する「医療機関内での意見交換会の実施」の意義を強調する意見が相次いだ。このため、医師労働時間短縮計画作成のガイドラインでも位置づけることにする。