全日病ニュース

全日病ニュース

在宅医療と医療安全をテーマに議論

在宅医療と医療安全をテーマに議論

【厚労省・医療計画等検討会】在宅医療圏は市町村単位が望ましいと猪口会長など主張

 厚生労働省の第8次医療計画等に関する検討会(遠藤久夫座長)は8月4日、第8次医療計画の策定に向け、在宅医療と医療安全をテーマに議論を行った。在宅医療圏について、市町村単位が望ましいとの意見が出た。
 在宅医療については、「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」の検討状況の報告を受けるとともに、厚労省が論点を示した。
 具体的には、◇量的拡充(医療機関数、事業所数の増加)やグループ化、情報通信機器等の活用等も含めた効果的・効率的な在宅医療の提供体制の整備◇在宅医療における医療圏(在宅医療圏)の設定規模◇在宅医療において積極的役割を担う医療機関などの位置づけ─などが課題とされた。
 在宅医療を提供する医療機関などの量的拡大をめぐっては、特に、大規模な二次医療圏で、訪問診療の多くが一部の医療機関によって提供されている状況に対し様々な意見があった。
 日本医療法人協会会長の加納繁照委員は、「かかりつけ医的でもなく、地域医師会にも加入していない医師が在籍する、在宅医療を専門的に提供する医療機関が、大規模で効率的な在宅医療を行っている。このようなやり方でよいのかということを考える必要がある」と問題提起した。
 全日病会長(日本医師会副会長)の猪口雄二委員は、在宅医療圏に関し、「現状でも在宅医療圏の設定にあたっては、二次医療圏にこだわらないという規定になっているが、在宅医療は介護との関わりも深いので、地域包括ケアの圏域で体制を考える必要があり、市町村単位がよいと思う。二次医療圏自体の問題もある」と述べた。
 全日病副会長の織田正道委員も、在宅医療圏は市町村単位が望ましいとの考えを示しつつ、在宅医療への取組みや医療的ケア児への対応に、市町村によりばらつきが生じることを懸念し、市町村を支援する仕組みや他の市町村との連携が重要になると指摘した。
 医療安全については、医療計画の項目に「病院の総数に対する他の病院から医療安全に関して評価を受けている又は第三者評価を受審している病院数の割合」を新たに盛り込むことが提案され、特に異論はなかった。他の病院から医療安全に関して評価を受けていることは、診療報酬の医療安全対策地域連携加算の算定で判断できるとした。

 

全日病ニュース2022年8月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。