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ホーム全日病ニュース(2022年)第1019回/2022年10月15日号医療保険制度改正に向けた議論がスタート

医療保険制度改正に向けた議論がスタート

医療保険制度改正に向けた議論がスタート

【厚労省・医療保険部会】出産育児一時金を引上げ

 社会保障審議会・医療保険部会(遠藤久夫部会長)は9月29日、現在42万円の出産育児一時金の引上げなど、医療保険制度改正に向けた議論に着手した。12月に結論をまとめ、政府の全世代型社会保障構築会議に報告し、法改正につなげる見通し。
 9月28日に開催された全世代型社会保障構築会議では、出産育児一時金を大幅に増額することと、その費用負担については「医療保険全体のなかで支えあう」方針が示された。
 また、高齢者の保険料賦課限度額や、高齢者医療制度への支援金のあり方、被用者保険者間の格差是正の方策を検討する方針も示された。これを受けて医療保険部会が制度見直しの議論に着手した。
 部会は出産育児一時金の引上げには賛成。費用負担のあり方については、後期高齢者にも費用負担を求める提案があった。
 出産育児一時金制度が創設された1994年当時は、その費用を全世代が負担する仕組みだった。しかし、2008年4月に後期高齢者制度を創設して以来、75歳未満のみで負担する仕組みとなっている。
 一方、全日病会長(日本医師会副会長)の猪口雄二委員は、支払能力に応じた保険料負担の仕組みを検討すべきと主張。「例えば国家公務員の保険料率7.64%を地方公務員の9.45%にあわせて引き上げれば、約1,300億円の増収効果がある。低い料率の健保組合は料率を見直し、保険財源の安定化に寄与してもらいたい。将来的には保険料率の一本化も検討課題だ」と述べた。
 猪口委員はさらに、就労を続けている後期高齢者は健康保険の被保険者にとどまるような仕組みにすることを提案。「仕事をしている後期高齢者には、社会保障を『支える側』にとどまってもらうことも重要だ」と指摘した。

 

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